NECは「店頭棚割画像解析サービス」がカルビーに正式採用されたとこのほど発表した。国内売上げ1位のシリアルブランド「フルグラ」を対象に近畿エリアで昨年12月から検証してきたが、形状が不安定な袋商品でも有効性が確認できたため、カルビーは今年5月から全国に導入する。
店頭棚割画像解析サービスは小売店舗の商品棚をスマホで撮影し画像認識することで、商品の陳列(棚割)状況を高精度に解析できる。昨年9月から販売している。
商品棚の位置や陳列が売上げを左右するケースは多い。従来はメーカーの棚割担当者や営業担当者が商品棚の陳列状況を撮影したり、目視で確認して営業本部に報告を上げていたが、調査工数が増大するうえ、報告内容が適正かどうか把握するのが難しかった。また、新たな陳列の仕方を店舗に提案したくても、現状把握が困難なままでは分析作業の負担が大きかった。
そこでNECは独自の画像認識技術を活用して開発。専用アプリを使って撮影した写真をクラウド上で解析し、陳列商品とその位置を高精度に識別するようにした。どの商品がどの棚のどの位置に何フェイス陳列されているか、データ表示する。写真を見ながら手入力していた従来の方法に比べ、作業時間を約1/10に削減する。
陳列データは既存の「棚割管理ソフト」に取り込めるため、現状の棚を再現したうえで新たな陳列の仕方を検討することができる。さらにPOSデータなどに照らして分析・予測することで、売上げ拡大へとつなげることも可能になる。
NECは得意分野のAI技術を今後活用し、画像解析に加えて陳列の最適化も提案できるようにする。
店頭棚割画像解析サービスのシステム画面