統括的な環境・省エネ対策を評価
ニチレイフーズ船橋工場��
ニチレイフーズの船橋工場（千葉県船橋市、芝昭彦工場長）は環境保全の取り組みを徹底しており、統括的に取り組むことで、全国のニチレイ工場の手本となることを目指している。廃食用油のボイラー燃料への使用や廃熱交換機（エコノマイザー）の設置などが「食品産業ＣＯ2削減大賞」（農林水産省補助事業）を受賞した。
表彰の対象となった取り組みは廃食用油の有効活用やエコノマイザーの設置などボイラー関連のほか、太陽光発電システムの導入、ＨＦ蛍光灯への入れ替えやＬＥＤ照明の設置など。
昨年末から積極的な設備投資の動きを見せている。フライ製造ラインでは、廃食油をボイラーの燃料として再利用する設備を導入している。昨年度から本格的に運用を開始した。フライ製品の製造ラインから出る廃食油を１ｔタンクでボイラー室の横まで運搬、８ｔタンクにストックする。水分除去装置で水分を取り除き、遠心分離装置でスラッジを分離する。精製した廃食油と灯油を混合し、混合燃料としてボイラーに供給する。これによるＣＯ2削減効果は年間480ｔを見込んでいる。
昨年11月に本格稼働した廃熱交換機はボイラーの燃焼排ガス熱をボイラー給水に熱回収して、ボイラー効率を高めている。25℃の水温を55℃まで上昇させる。この結果、ＣＯ2排出量は年間で85ｔ削減できるという。
エコノマイザー
工場敷地内にはエコステーションと呼ばれる施設があり、工場排出される循環資源（動植物性残渣）を肥料、飼料に調整している。その施設の屋上に20kWh/hの太陽光発電設備を設置し、昨年の12月末に稼働した。太陽電池パネル（1290�弌�990�弌�36�弌砲�120枚使用、日中余った電力は系統連携して生産設備で使用する。
エコステーション内にはエコエネルギー発電システム「エコモ二」を設置。モニターでシステムの運転状況を確認することができる。モニターにはその日の傾斜面日射強度、気温、太陽光電池の直流電圧、直流電流、直流電力、その結果発電できる電力量を表示している。
また、当日の積算発電電力量、当日までの積算発電電力量と積算ＣＯ2削減量も確認でき、工場関係者は太陽光発電の実績を数値で把握している。会議や他の工場へ導入の際に参考になるという。
太陽光パネル
「エコモ二」で太陽光発電システムの運転状況を確認できる
照明設備にも気を配る。40Ｗ型蛍光灯からＨｆ32型蛍光灯に入れ替え、使用電力量を削減した。また、建物外壁のニチレイフーズのロゴマークの夜間照明を水銀灯からＬＥＤ照明に取り換えた。消費電力を抑えるとともに明るさが増した。
この実績から米飯の包装ラインにもＬＥＤ照明を６カ所取り付けた。包装ラインは女性スタッフが多く活躍している。「ラインが明るく、仕事の能率向上にもつながる」という声も挙がっており、今後ほかのラインにも導入を検討中だという。
米飯の包装ラインに取り付けたＬＥＤ照明