アルミ包材でも金属異物の検出を可能に
新構造の金属検出機を開発
異物検査機メーカーの�螢轡好謄爛好�エア（新潟県長岡市、山田清貴社長）はアルミニウムの影響を受けずに異物検査が行える新製品の「磁化式金属検出機」を開発し、このほど受注を開始した。
従来の金属検出機では難しかったアルミ包材内の微小な金属粉の検出で威力を発揮する。アルミニウムを使ったレトルト製品や缶詰のほか、温度変化が大きい冷凍食品、塩分が高いすり身、練り物、漬物、みそなどが対象でも高感度で検出する。
最大の特長は金属異物を検出する磁気センサーの手前に「着磁ユニット」を搭載したこと。ステンレス片などの金属異物が通過すると磁気を帯びる（着磁）仕組みで、アルミニウムや黄銅は着磁しないが、ステンレスは切削や曲げなどの力が加わると着磁する。この性質を利用して、磁気センサーが着磁した異物だけを検出する。
アルミニウムの影響を受けずに異物検査が行える「磁化式金属検出機 MetaHawkＤＭ」、
非常停止スイッチはオプション
磁気センサーの最高感度（理論値）はステンレス（ＳＵＳ304）で線径0.05×長さ１mm、鉄（Ｆｅ-ＳＵＪ２）で球径0.1mmと高く、微小なステンレス片をはじめ、粉状のサビや摩耗した金属粉、鉄系の成分が入った樹脂（ブラシ毛、ヘラや手袋片）なども検出できる。
近年は衛生性に配慮してオールステンレス製の食品機械が増えているが、同社マーケティング部の斉藤寿満部長は「粉砕機や撹拌機などの刃欠け、擦れや摩耗による微細な金属くずが混入してしまうケースがある」と語る。このため、食品製造の現場では以前からアルミニウムや塩分・水分の影響を受けない金属検出機を求める声が多かったという。
Ｘ線検査機より低コストで運用可能
今回の「磁化式金属検出機」は、レトルト製品の異物検査で通常使われるＸ線検査機に比べてランニングコストを抑える効果がある。Ｘ線検査機はＸ線の発生器やセンサーなど高額な消耗品が必要になるが、「磁化式」は通常の金属検出機と同様、ランニングコストはほとんどかからない。
「アルミ包材内の金属検査だけに使用したいという場合であれば、Ｘ線検査機よりも導入メリットは大きい」（斉藤部長）。
また、「磁化式」は通常の金属検出機に比べて検査品の温度変化や塩分量に影響されにくいため、冷凍食品やすり身・練り物の異物検査に強い。同社は水産加工場に向けても提案を強化していく。
「磁化式金属検出機」の構成図、磁気センサーの手前の「着磁ユニット」で金属異物に着磁する