新素材使ったパレット、物流展に出展

 ウッドプラスチックテクノロジーは国際物流総合展(東京ビッグサイト、11〜14日)に出展する。木製・プラスチック製が主流だったパレット業界で、普及が期待されるウッドプラスチックパレットの特徴や導入事例を発表する。

木質ペレットとプラスチックでできたエコなパレット
価格も金属製やプラスチック製に比べ安く提供できる

 同社は東京大学が開発したバイオマスプラスチックを原料に100%使用したパレットを世界で初めて実用化したパレットメーカー。バイオマスプラスチック(ウッドプラスチック)は木質バイオマスとプラスチックを複合化した素材で、環境に配慮し、剛性が高いのが特徴。原材料は製材工場で作られた木質ペレットとプラスチックのバージン品を使っている。
 ウッドプラスチックは丈夫でたわみが少ない。同社が外部機関に委託して行ったテストでは荷重1t、2000時間のクリープ試験で、たわみがわずか1mmだったという。自動倉庫にも十分使える強度で、この点をパレットレンタル業界大手の日本パレットプールに評価され、このほど採用された。
 木製パレットのトゲやササクレの問題を解決するためにウッドプラスチックパレットに切り替えるユーザーのほか、石油製品の価格上昇が続いているためプラスチックパレットを使用していたユーザーが切り替える事例も多いという。

 展示会では「省資源・CO2削減に貢献するウッドプラスチックパレット」と題するセミナー(13日、午後3時〜3時30分)も開催する。
 同社の設立は2008年2月。環境負荷の小さい新素材の将来性を高く評価され、東京大学エッジキャピタルなどのベンチャーキャピタルから出資を受けている。製材工場の副次生産物が有効に活用できれば、木材加工業は活性化し、林業全体の活性化・森林保護にもつながる。行政からの評価も高く、農林水産省の助成制度を利用して、岡山県津山市に2009年、ウッドプラスチックパレットを製造する工場を建設した。
 伸長する需要に応えるため、2013年に鳥取工場を鳥取県倉吉市に新設し、生産能力を増強する。