インドネシアにパッケージングフィルム生産合弁会社を設立

 東洋紡は透明蒸着フィルム「エコシアール®」とパッケージ用ポリエステルフィルムの製造販売について、インドネシアのフィルムメーカー、PT. TRIAS SENTOSA, Tbk社(=TRIAS)と合弁会社を設立する。
 東南アジア大手のフィルムメーカーであるTRIASと協業し、透明蒸着フィルムの海外展開を加速する。

       エコシアール®

 「エコシアール®」はシリカとアルミナの2種類のセラミックスを蒸発させて、ナイロンやポリエステルフィルムにコーティングすることで高いバリア性を付与したフィルム。通常の包装フィルムの100倍以上のガスバリア性を持ち、食品・非食品を問わず、幅広い用途に使える。2種類のセラミックスを使用することで、バリア性を保ったまま柔軟性を保持する。塩素化合物を含まないので、環境にやさしく、包材を薄肉化できるので、ゴミの減量につながる。

 東洋紡ではこれまで、透明蒸着フィルム「エコシアール®」を、高性能バリアフィルムとして国内市場を中心に展開するとともに、バリアフィルムのグローバルな需要拡大を視野に、海外展開を検討してきた。そのための最適なビジネスモデルを探り、実現のために最適なパートナーを探索してきた。その結果、同社が必要とする事業インフラを持ち、同社と長年の事業実績のあるTRIASと、2社の合弁会社をインドネシアに設立することで合意した。
 PT.TOYOBO TRIAS ECOSYAR(=TTE)はTRIASが持つ製造インフラを利用して「エコシアール®」を生産する。東洋紡は国内外、TRIASはインドネシア国内で「エコシアール®」を販売する。
 PT.TRIAS TOYOBO ASTRIA(=TTA)はパッケージ用ポリエステルフィルムを生産し、TTEに「エコシアール®」の原反を供給する。東洋紡とTRIASには製品を供給する。

 東洋紡は中期経営計画のアクションプランの1つとして、「海外展開の加速」を掲げており、これまで国内中心であったパッケージングフィルム事業も、今回の合弁会社設立を皮切りに、海外展開を加速する。
 国内の食品包装分野では、食品安全に関する意識の高まりや賞味期限の延長に対する要求などから、バリアフィルムの市場が拡大している。海外では環境意識の高まりや食糧不足の顕在化により、バリアフィルムの需要が拡大している。中でも透明蒸着フィルムの世界市場は、年率10%の伸びが予想されている。