台湾発のリサイクル新技術を導入へ

 コカ・コーラボトラーズジャパンは世界有数の化学品メーカーで、日本最大のリサイクルペット樹脂工場を日本国内に持つ遠東新世紀(台湾台北市)と再生ペット原料を使ったペットボトルの製品化プロジェクトを開始した。遠東新世紀が開発した新技術を採用し、使用済みペットボトルを飲料用として再使用する「ボトル to ボトル」の取り組みを商業レベルにまで引き上げる。

 使用済みペットボトルをリサイクルして、新たなペットボトルに再利用する技術には、ケミカルリサイクル(化学的再生法)とメカニカルリサイクル(物理的再生法)がある。遠東新世紀が開発したのはケミカルリサイクル方式の新技術「TopGreen ChemCycle(トップグリーンケムサイクル)」。

 一般的なケミカルリサイクル方式は、使用済みペットボトルを化学的に分解(解重合)してペット樹脂製造時の中間原料(BHET)に戻し、これを精製した後にペットに再重合する。遠東新世紀の新技術は使用済みペットボトルをPTA(高純度テレフタル酸)と呼ばれるペット樹脂の主原料の1つにまで変換する。PTAにまで変換することで、化石燃料由来の新しいペット樹脂と同等の品質と安全性を実現できるという。

 国内での「ボトル to ボトル」の取り組みは増えているが、使用済みペットボトルの多くはいまだに食品トレーやシュリンクラベルなど品質の低い製品にリサイクルされている。

 コカ・コーラボトラーズは「ボトル to ボトル」の割合を2022年までに50%、2030年までに90%に高めることを環境目標の1つに掲げている。そのため「ボトル to ボトル」の商業化を急ぎたい考えで、新技術を使った再生ペットボトルの製品の試験販売を年内にスタートするとしている。

         ケミカルリサイクルによる再生ペット製品の製造工程