道東・三陸沖での漁場形成が期待されるサンマ
水産庁は8〜12月の道東から常磐海域におけるサンマの漁況について「低水準だった昨年と同じ水準」との見通しをこのほど発表した。
漁期を通じた来遊量は低水準(昨年と同水準)だが、漁期を通じた漁獲物に占める1歳魚の割合は昨年を上回り、1歳魚の体重も昨年を上回る予想。110g〜120gが主体となる見込み。
8月は千島列島東方沖の公海(東経160度以西)に漁場が形成され、9月の主漁場も引き続き公海となるものの、北海道や千島列島の周辺では、散発的に来遊する小規模な魚群により、偶発的に漁場が形成される可能性もあるとしている。10月以降は三陸海域を含む日本近海へはほとんど来遊せず、漁場は公海を中心に形成される予想。
今年の調査結果では、漁獲対象となる海域の推定分布量が昨年をやや下回る低水準だった。一方、秋にかけて大きく回遊し、漁獲の主体となる1歳魚の割合が昨年度より高かったことから、昨年に比べて来遊量が大きく下回ることはないと見られている。
鮮魚売場などで通常販売される1歳魚は、例年6〜7月のサンマ資源量直接推定調査時に体長27cm以上で、8月以降の漁期中に体長29cm以上になると予測されるものを指す。
魚体は、今漁期を通した漁獲物における1歳魚の割合が昨年(58.8%)を上回ると考えられ、1歳魚の体重も昨年の100〜110g台に比べ、110〜120g台が中心になると予測されている。