ホテル朝食に冷凍パンの新メニュー提案

    ブレッドボウルについて説明する
    ARYZTAの調理担当者

 冷凍パンの輸入販売会社アリスタフードソリューションズ・ジャパン(ARYZTA、東京都渋谷区)は業務用調理機器を製造・輸入販売するエフ・エム・アイ(FMI、東京都港区)、業務用ソースやフォン、スープ製造のキスコフーズ(東京都豊島区)と合同展示会をFMI本社で7月31日開催した。

 深刻な人手不足問題を抱えるホテルやカフェ、ゴルフ場向けに冷凍パンを使った新たな朝食メニューなどを提案した。
 来場者の注目を集めたのは、パンの中味をくり抜いた「ブレッドボウル」。ARYZTAが秋に向けて売り出す新商品で、シチューやグラタン、ディップソース、アイスなどを入れてアレンジメニューを提供することができる。

 ブレッドボウルは120年以上前に米国サンフランシスコで生まれたと言われ、西海岸ではポピュラーな料理。原料はライ麦や小麦などを使った全粒穀物。全粒穀物は糖尿病や脳卒中など成人病による死亡リスクを下げる効果があるとされる。

 今回のブレッドボウルは焼成後に冷凍しているため、冷凍庫から取り出し、具材を入れてオーブンで焼けば完成する。会場ではキスコフーズのクラムチャウダーを入れたメニューを提案した。アサリのうま味を凝縮した出汁をベースに大きめのアサリや野菜などの具材をふんだんに入れた。担当者は「業務用に冷凍で提供している。調理はパックごと湯煎してブレッドボウルに入れるだけ。パートや新人がワンオペレーションでおいしく作ることができる」と調理時間の短さと作業効率の良さを強調していた。

キスコフーズの冷凍クラムチャウダーを使った
スープメニュー

   牛肉や野菜を使ったモサラダ仕立ての
   ブレッドボウル

ホテル開業が増え、冷凍パン・スープ好調

   FMIのシェフはサラダ仕立ての
   アレンジメニューを調理実演した

 会場ではこのほか、クリームチーズとサワークリームにベーコン、玉ねぎ、枝豆などを混ぜ合わせてブレッドボウルに入れ、FMIのスチームコンベクションオーブン(ウノックス社製)を使って焼き上げたディップソースや、スチコンでローストした牛肉、マッシュルーム、ジャガイモなどを使ったサラダ仕立てのアレンジメニューを調理実演した。

 都内ではこの数年間で多くのホテルが開業したが、調理現場の人手不足は深刻。そのため冷凍パンや冷凍スープの需要は大きく伸びているという。ARYZTAの担当者は「ベーカリーに人手を割けられないホテルは多い。本来は発酵後に冷凍するパン生地を推奨したいのだが、実際は焼成後冷凍パンのニーズが高い」と語る。
 キスコフーズの担当者によれば「都内のビジネスホテルでも外国人観光客向けに朝食にこだわるところが増えている。冷凍スープの引き合いは非常に多い」という。

ARYZTAは冷凍パンで朝食ビュッフェを
提案、POPも提供する

キスコフーズはFMIのスープサーバーを使い、
コーンクリームスープなどをPR