ミキシング周辺の自動化、安全衛生配慮に自信あり
関東混合機工業 副社長 林 純一氏

 ミキサー専門メーカーとして、あらゆるミキシングプロセスに対応している関東混合機工業。各種ミキサーとともに、その前後工程に必要な関連機器にも力を入れている。搬送ポンプや充填機、リフターなどミキシング周辺の自動化に同社の存在感が増している。

            林副社長

 「当社の方針は“使う身になってのミキサーづくり”。どうしたらユーザーは喜んでいただけるかを常に考えています」と林純一副社長は語る。「そのため、安全衛生については業界に先んじて取り組んできたと自負しています。またミキシングだけでなく、その周辺工程も考慮したシステムづくりに特に注力してきました」と続ける。
 同社の取引先は製パン製菓業界だけでなく、水産や食肉、スーパー・コンビニのベンダー工場など幅広い。ねり製品をはじめ水産加工の分野でも導入実績が豊富なステンレスボディ採用のヘッド昇降式ミキサー「KTMシリーズ」は衛生面を強化してブラッシュアップ、一段と洗浄しやすい構造とした。
 特殊構造からなる「ホッパートッパー」はスクリュータイプに比べ、生地へのダメージが少なく、固形物が混在した材料も搬送可能。部品点数が少なく、分解組み立てに工具を使わないので洗浄も簡単に。多目的充填機「コンパクトパワーリフト」の動力はエアのみで電気は使用しないため、水気の多い水産加工場でも安心して使用できる。
 2014年、20年ぶりに復刻リニューアルした「シェーキングミキサー」でも衛生面や安全面に配慮している。通常の縦型ミキサーとは泡立て方式を変更、人手でメレンゲなどを泡立てる動きを再現した。手作り感にこだわる市場の要望に応えているのだ。

 2014年1月、林氏は海外赴任先から帰国。その後、副社長となった。立場が変わり、視線もより責任の強いものとなった。
 「社長(林孝司社長)が日本食品機械工業会の会長、日本製パン製菓機械工業会では理事に就いています。社外的な業務が多いため、逆に私は当社の内部をしっかり見るようにしています。そうして社長とうまく連携を図っています」という。
 林社長はEHEDG JAPANの代表でもある。EHEDGは欧州衛生工学設計グループを意味し、機器製造業者と食品産業、研究機関、公共の保健機関などで組織する。1989年に食品生産物の処理と梱包の衛生を推進する目的で設立された。
 林副社長自身も業界団体とは縁が深い。日本食品機械工業会の青年部には20年近く所属している。「今いるメンバーの中でも一番の古株かもしれません」と微笑む。「中小企業が多いこの業界。技術を競うところは切磋琢磨し、助け合うべきところは共に支えていきたいですね」。

 「ミキシングという工程はあらゆるところにあります」とその可能性を信じている。「まだまだ当社が提案できる分野はあるはず。食品以外だと、医薬品や化学の分野。これらに関してはまだ未開拓。今後、仕様や規格など、学んでいかなければならないでしょう」。同時に、「食品業界に対してもミキサーの専門メーカーとして、引き続き貢献していきたい。ユーザーの効率改善をお手伝いするため、より技術力に磨きをかけていきます」としている。