RORO船を利用した共同運航を開始

 イオングローバルSCMサッポログループ物流は、環境負荷低減の取り組みと多様な輸送体制の構築の一環として、中部・九州間で国内初となるRORO船を利用した共同運航を7月24日から開始した。RORO船はフェリーのようにランプを備え、トレーラーなどの車両を収納する車両甲板を持つ貨物船。
 イオンは福岡県内のトップバリュ生産工場から大分港、清水港の海上ルートを使用して、西関東RDC・北関東RDCへ商品を納品する。
 サッポロは静岡県内のサッポロ委託先工場から清水港、大分港の海上ルートを使用して、佐賀県内の物流センターに商品を納品する。

    RORO船でトラックごと運送

 導入の効果としては①RORO船を使うことでトラックによる陸上輸送と比較して大量輸送ができ、港での積み替え作業を必要としないことから、陸上と海上の接続を円滑にしてコストを削減できる②実車率が向上し、効率的な輸送で運行本数をトラック輸送に対して約50%削減できる③震災、災害対応時にトラックや鉄道などの陸上輸送に変わる輸送手段を確保できる④長時間運転を解消し、ドライバーの労務管理を改善できる――が期待されている。

 イオンは低炭素社会の実現に向け、店舗や商品・サービスでの二酸化炭素削減の取り組みのほか、物流でもさまざまな活動を行っている。イオングローバルSCMは「低炭素社会の実現」をめざし、ローコストの具現化によるロープライスの実現や二酸化炭素の排出量を削減するなど、環境に配慮した物流を推進している。RORO船の共同運航は、イオンの低炭素社会の実現に向けた活動の一環で、効率的な輸送を実現することで、環境負荷の少ない物流システムの構築に取り組む。

 サッポログループは安定的な商品の供給を行うため、物流ネットワークの維持・拡大・構築を行い、モーダルシフトの推進で二酸化炭素排出量の削減をするなど、多様な輸送の構築と輸送効率向上を強化している。イオングローバルSCMとは、2015年11月から長野~墨田間の鉄道輸送の共同化を開始し、これまで継続運用している。

 今回は共同取り組みの第2弾として、長距離の内航船を共同運行することで、安定供給と効率化が見込めることから実現することになった。