農産品用にアルゴリズム開発、X線検査機で市場深耕

    最新型のX線検査機に農産品用
    アルゴリズムを搭載した

 国内最大の農業総合展「農業ワールド2018」が千葉幕張メッセで10月10〜12日開催される。食品機械や検査機器メーカーなども多数出展し、農業生産者の6次産業化を支援する。
 アンリツインフィビスはX線検査機「XR75シリーズ」を出品する。ジャガイモの「ス」やトウモロコシの「不稔(先端に実がない)」の品質検査での活用を提案する。
 最大の特長はX線検査機の画像解析に欠かせないアルゴリズムを農産品用に開発したこと。マーケティング部の澤野啓二担当部長によれば「ジャガイモのスはわずかな空洞のため、影のコントラストが非常に弱い。そこで影の変化の特性などを研究して新たにアルゴリズムを開発し搭載した」という。
 X線検査機は異物検査、形状検査、欠品検査など複合検査機としての利用価値は高いが、農業分野での導入事例は少ない。ただ、生産から加工、販売までを一貫して行う6次産業化が今後進めば、高品質や付加価値の高い農産品の出荷現場で導入が広がることが期待される。
 このため同社は食品、医薬品に次いで農業分野でも品質保証ニーズが高まると見ており、市場参入を本格化する。
 展示場では品質検査のほか、多段階用オートチェッカ(重量選別機)を使ってランク選別が行えることを映像で紹介し、生産コスト削減や付加価値向上をPRする。

X線検査機と同時に使える多段階用オートチェッカ