AGVを活用したコンテナ洗浄脱水ライン
搬送工程を自動化、人手不足対策に貢献

 食品工場の容器洗浄機でシェアトップのクレオ(東京都中央区、名倉豊夫社長)は東京ビッグサイトで9月13〜16日開催される「国際物流総合展2022」に「コンテナ洗浄脱水ライン+AGV(無人搬送車)」を出品する。

 連続式の洗浄脱水機とAGVを連携させ、洗浄前後のコンテナ搬送の自動化を提案する。洗浄脱水機の乾燥は遠心脱水方式のためCO2削減にも貢献できる。

 同社の担当者は「展示会では洗浄における省人化とCO2削減、衛生性の確保による物流品質の向上の3つを訴求したい」と語る。

         AGVを活用したコンテナ洗浄脱水ラインのイメージ

AGVと洗浄脱水機が連結、コンテナを移載

 今回のコンテナ洗浄脱水ラインは人手不足に悩む配送センターでの活用を想定している。配送から戻ってきたコンテナをAGVでトラックバースから洗浄室まで搬送し、洗浄後は出荷室の仕分けエリアまで運ぶ。

 これまではコンテナを台車に載せて人手で運ぶ必要があったが、洗浄前後の搬送をAGVが担うことで省人化と作業負担の軽減が期待できる。

 一般的にAGVは洗浄室から低温の仕分け室に移動すると、温度差で結露が発生する可能性があるが、今回のAGVは制御基板をコーティングしたほか、送風ファンを搭載して空気を内部循環させる構造にし、障害物を検知するセンサーが曇るのを防いでいる。

 さらに、AGVはコンベア搭載型を採用した。これによって洗浄脱水機のコンベアラインと連結させ、洗浄後に段積みしたコンテナをスムーズにAGVに移載できるようにした。洗浄脱水機の処理能力は1時間あたり最大2000箱。実際の現場ではAGVを複数台走らせることになるが、必要台数は処理能力と現場の状況に合わせて提案する。

AGVが段積みした洗浄後のコンテナを出荷エリアまで自動で搬送する、写真は昨年の国際
総合物流展

CO2削減量を計算、FOOMAで好評

 コンテナ洗浄脱水ラインはCO2削減にも貢献する。ポイントは脱水方式。洗浄・すすぎの後の乾燥工程を熱風乾燥ではなく、遠心脱水方式を採用することで、蒸気ボイラの使用量を大幅に削減できる。

 展示会場では熱風乾燥から脱水に切り替えた場合のCO2削減量をシミュレーションして提示する。同社は計算式を作成しており、洗浄機の稼働状況(1日の稼働時間・1カ月あたりの稼働日数、ボイラ熱源など)から削減量をはじきだせる。実際、今年6月に出展した「FOOMA JAPAN2022」では来場者からの反響が高く、「CO2削減の課題を抱える食品事業者のニーズに合致した」(担当者)。

 洗浄脱水機に後付けできる「排水熱回収装置」もFOOMAで注目を集めた。排水の熱を利用してすすぎで使用する水の温度を約14℃加温することで、ボイラの蒸気量を大幅に削減する。同社の試算では年間のCO2排出量を約8t、燃料費を年間で約30万円削減できるという。燃料価格の高騰を追い風に引き合いが増えている。

 展示会ではこのほか、段積みしたパレットを自動で段バラシから洗浄脱水、段積みする「パレット洗浄脱水装置」、自動車部品の通い箱に付着したしつこい油汚れをしっかり洗浄、脱水するバッチ式の「クリーン・カット・RHB」を出品する。ブース番号は東3ホール、3-501。