餃子の生産スピードをアップ
イートアンド関東第二工場（群馬県板倉町）
関東第二工場の外観
餃子専門店「大阪王将」などの外食事業と、生協、量販店向けの冷凍食品事業を手掛けるイートアンドは群馬県板倉町に関東第二工場を11月完成させ、12月中の本稼働をめざしてテスト生産を開始した。本稼働後は市販用冷凍食品「大阪王将 羽根つき餃子」、「同ぷるもち水餃子」を生産する。最新機器の導入や成型機の台数を増やしたことで、隣接する第一工場に比べて生産スピードを高めた。
新工場は２万335�屬良瀉呂坊�設。土地、建物・設備に約35億円を投じた。第一工場では外食店舗向けのラーメンの麺や餃子の具・皮も生産しているが、第二工場は冷凍食品専用。生産能力は操業開始時点で月産約740ｔ。
羽根つき餃子の場合、第一工場では成型機３台を使用しているが、第二工場では４台（１台当たり毎時9000粒生産）に増やして1.3倍に生産スピードを上げた。
主要原料のキャベツは機械で芯をくり抜いてから８等分にカットした後、葉をばらして洗浄、すばやく脱水する。白菜はキャベツに比べて使用量が10分の１と少ないため手作業でカットする。夏場はキャベツが甘くなり、冬場は白菜が甘くなるため季節によってキャベツと白菜の配合を変えて調整している。
キャベツの洗浄工程
餃子に使う豚肉、鶏肉、キャベツ、白菜、にんにく、しょうがなどを、どこから仕入れているのか日本地図で示し、工場内の見学者通路に掲示している。にんにくはイートアンドの自社農場でも生産している。
野菜と肉を合わせて調味した中具を撹拌した後、成型機に投入。餃子の皮は別室でロール状にして成型工程に持ち込む。
成型機４台から次々と出てくる餃子を機械で12個入りのトレーに入れ、加熱する前にカメラで捉えた画像をＡＩが解析し、トレーに12個きちんと入っているかどうかなどをチェックする。検品以外にも来期以降にＡＩを導入する予定。
凍結後、餃子のたれ２袋を乗せてから機械で包装、箱詰めし、パレタイズロボットでパレットに積み込む。
水餃子は生産スピード２倍に
パレタイズロボットで積み込む
「ぷるもち水餃子」に使う皮は、焼き餃子用に比べて水分、でん粉が多く弾力性が高いのが特徴。団子状にして成型機に投入する。
水餃子のラインには成型機を６台設置（１台当たり毎時7200粒生産）している。第一工場の３台に比べて生産スピードは２倍。焼き餃子と同様、生産スピードを上げることで具材の鮮度がより高い状態で製品化できるメリットがある。
成型した水餃子は加熱、凍結し、機械で計量・袋詰めする。焼き餃子と異なり、箱詰めは手作業に頼るが、今後、機械化を検討する。これにより２名削減できる。
焼き餃子用と水餃子用の成型機は異なるメーカーの機器を使っている。焼き餃子のラインにはスパイラルフリーザー、水餃子にはトンネルフリーザーを導入した。
山本浩取締役常務執行役員商品本部長は「第二工場は第一工場に比べて生産能力が40％以上向上し、人手は20％削減できる」と語っている。
外国人の従業員もいるため、「使用後のエプロンは必ず洗浄して戻す!!」といった工場内の掲示物には日本語のほかに英語、ネパール語、インドネシア語を併記している。
本稼働後は第一工場と同様、３交代制で24時間稼働させる。第二工場にはまだ空きスペースがあり、生産能力をさらに上げることができる。生産品目は今後検討する。
焼き餃子の成型機
水餃子の成型機
凍結した焼き餃子にたれを乗せる工程
「大阪王将 羽根つき餃子」のパッケージに包装
機械で箱詰めする