燃費を13%削減する高効率熱媒ボイラ

 三浦工業は燃料消費量とCO2排出量を13%削減(同社従来比)する熱媒ボイラを発売した。レキュペレーターと呼ばれる空気予熱器を搭載して熱効率92%としながら、排気ガス性状を大気汚染防止法基準以下とし、工場の省エネに貢献する。

新たに発売した熱媒ボイラ

 熱媒ボイラは250〜280℃程度の熱媒油と呼ばれる加熱媒体を燃焼熱や電気ヒーターなどで加熱し、負荷機器へ熱輸送するもので、蒸気ボイラと比べ水管理の手間がなく低圧でありながら高温の熱エネルギーが得られるとして、化学工場や製紙工場などで広く利用されている。
 しかし、水を加熱する蒸気ボイラと比べると、戻り温度250℃程度の油を再加熱する熱媒ボイラは排気ガス温度が400℃程度と高くなってしまい、従来の効率80%からの向上を望まれていた。
 そこで同社はレキュペレーターを搭載し、排気ガスの持つ熱エネルギーを燃焼用空気へ伝達させることで、排気ガス温度を170〜180℃に低下させ、ボイラ効率を92%へ大幅に向上させた。
 時間当たり100万kcalの熱を供給する熱媒ボイラは、効率80%から92%に改善し、燃料消費量は時間当たり16.8N㎥削減、燃料単価65円/N㎥、年間1400時間稼動させる工場では、年間150万円ほどの燃費削減メリットが得られる。
 このほか、比例燃焼バーナを標準搭載し、ターンダウン比1:3の範囲で比例燃焼させることで、熱媒油の温度ムラを低減する。起動・停止回数も低減され、パージ中の熱ロス低減効果と合わせ運転効率も改善する。