工場の投資額は前年比1.5倍に

 西友の惣菜子会社若菜は工場機能を強化している。直巻おにぎり成形機能、焼き機能、生野菜洗浄機能――の3つを柱とし、改革を進めている。
 一連の強化による投資額は明らかにしていないが、「今期は前年の1.5倍に投資額を引き上げる」(中村真紀若菜社長)としている。

 火加減、水加減、蒸らし加減にこだわって炊き上げた米を、厳選した具材とともに直巻おにぎりにする機能を導入した。従来、この機能は一部外部に委託していたが、自社工場で取り込む。内製化により、コンビニで人気の直巻おにぎりを2割ほど低価格で提供できるという。
 焼き機能を更新し、焼き魚や焼肉商品で差別化を図る。焼き工程は従来店舗内厨房で調理していたが、工場生産に一元化する。店舗ではより手の込んだ調理を提供できるようになる。
 導入した焼成機により、肉や魚など素材の特性に合わせ、湿度を与えながら火を通すことでふっくら、ジューシーに焼き上げる。直火で焦げ目がつき、商品に“焼き感”を提供できる。

 直巻おにぎり成形機と焼成機の2つの機能への投資はすでに済んでいるが、秋以降に向けて生野菜の洗浄機能に投資する。
 コンビニで人気が高まっているサラダの品揃えを拡充するのがねらい。専用の洗浄機を導入することで、リードタイムが短くなり、野菜の鮮度をより増すことができる。
 「生野菜はすでにコンビニよりも2割ほど低価格で提供しているが、秋以降サラダの品揃えを大幅に拡大することができる」(中村社長)という。

工場機能を強化し、リニューアルした商品群
左から中津からあげ(塩味)、同(醤油味)、牛カルビ焼肉重、とり五目おにぎり

 フードエンジニアリングタイムス(FEN)4月9日号掲載