横浜冷凍（横浜市、吉川俊雄社長）は来年７月に冷凍冷蔵拠点「北港物流センター」を大阪市此花区に新規完成、同８月には同「新鹿児島物流センター（仮称）」を鹿児島市谷山港に新設する。２つの拠点は�々發ど兵全浜���環境にやさしい冷蔵倉庫��最適な保管環境の提供――という３つのコンセプトが共通している。北港物流センターには業界初という前川製作所製の冷媒装置を導入する。
北港物流センターを来年６月30日、大阪市舞洲の物流ターミナルゾーンである此花区北港白津１−８に新規完成し、７月１日から営業開始する。冷蔵倉庫棟は鉄骨コンクリート造４階建。収容能力は２万7607ｔで、内訳はセミ超低温（ＳＦ級）1116ｔ、冷凍（Ｆ級）２万3235ｔ、チルド（Ｃ級）1745ｔ、Ｃ＆Ｆ級1511ｔ。今年６月２日着工した。
冷却方式は、湿度や温度変化が極めて少ない天井ヘアピンコイル方式。冷媒には、自然冷媒のアンモニア（ＮＨ３、ＣＯ２）を採用する。冷媒装置は、前川製作所が開発した２元冷媒採用「Ｎｅｗｔｏｎ Ｃ」で、北港物流センターに業界で初めて導入する。チルド庫で採用するという。吉川社長は「冷蔵倉庫業界の試金石となる技術を北港物流センターのチルド庫に採用する」と説明している。
同社最大規模となる太陽光発電システムも導入する。同システムは従来、冷凍冷蔵倉庫スペース上は負荷が大きすぎて設置が難しかった。しかし、北港物流センターでは設計を工夫し難点をクリアする。倉庫上をシステムで覆うことで、屋上温度が下がる利点も生じる。消費電力量の削減にもつながる。さらに、照明は高効率機器採用で電力消費量を同社内比較で6.7％程度下げるという。
一方、新鹿児島物流センター（仮称）は来年７月末、農畜水産物の生産エリアである南九州の中心部、鹿児島市谷山港３−４−20に新設し、８月１日から営業開始する。既存の拠点をあらため、機密性の高いドッグシェルターと低温管理されたプラットホームを備え、顧客ニーズに適う拠点とする。
冷蔵倉庫棟は鉄骨コンクリート造３階建。収容能力は２万0641ｔで、内訳は冷凍（Ｆ級）１万6304ｔ、チルド（Ｃ級）1212ｔ、Ｃ＆Ｆ級3125ｔ。今年７月初旬に着工する。
冷却方式は北港物流センターと同様、天井ヘアピンコイル方式。冷媒は、自然冷媒のアンモニア（１元冷媒）を採用する。太陽光発電システム、高効率照明も導入する。
また、荷物特性に合わせて温度設定できるＣ級スペースは同県最大級の規模という。オゾン殺菌脱臭装置、超音波加湿器、ロスナイ換気設備など、高い品質管理を提供できる技術を同スペースに導入し、農畜水産物の保管業務を高レベルで担う。