マルハニチロは、旧アクリフーズの「農薬混入事件に関する第三者検証委員会」(第9回)を4月26日開催し、その中間報告の内容を30日発表した。中間報告では事件の背景、事件の経過にかかる商品回収、問い合わせ対応、流通企業への対応、マスメディア対応だけででなく、群馬工場の食品防御体制などについても整理して明らかにしている。
事件の事実経過を辿ったうえで、第三者検証委員会は「今回の事件は通常の食中毒事件ではなく、食品メーカーの従業員が急性中毒症状を起こしうる高濃度の農薬をその商品に故意に混入したとされるもので、極めて特殊な事件である。しかし、急性中毒の危険性がある場合は、原因に関わらず危機管理対応が必要である。食品を扱う組織では、被害拡大阻止のため初動体制の確保と準備が重要である。また内部者による異物混入を未然に防ぐための手立てを確立する必要がある。そのためにはガバナンスの強化と食品防御の考え方の導入が重要である。消費者重視の視点が何より重要であり、食品提供者として、消費者への責任を果たすべきである」と中間報告を総括している。
検証委員会は、中間報告の内容をもとに、今後の最終報告に向けて、マルハニチロへの提言、同様の事件を未然に防ぐための社会への提言をまとめる。
マルハニチロは「農薬混入事件に関する第三者検証委員会」の中間報告の参考資料として、アクリフーズの2013年度(2014年3月期)業績について、売上高230億円(前年300億円)、営業損失20億円(同10億円)、当期純損失25億円(同5億円)となったことを、このほど明らかにした。