「鮮度」と「速度」叶える複合機能拠点
東京デリカフーズ 東京FSセンター(1)

 カット野菜やホール野菜を手がける東京デリカフーズは「東京FSセンター」(東京都足立区)を2010年6月に立ち上げ、加工や物流、研究、営業、事務などすべての機能を集約した。野菜の鮮度を保つよう迅速に処理するため、高速スライサーや「オートソーターシステム」などを駆使している。

東京FSセンターの外観

 3階建ての東京FSセンター。この「FS」にはFresh & Speedyという、創業当初から同社がこだわる野菜加工に欠かせない「鮮度」と「速度」の姿勢を込めている。
 1階では野菜の入出荷とホール野菜の仕分けを行ない、2階ではカット野菜の加工を行なっている。3階では野菜の分析やデータ管理を行なう研究室や、受発注システム、ユーザーを迎えて「野菜塾」などのセミナーを開催する部屋を設けている。加工だけではなく情報を発信するための拠点となっている。

 1日100台近くもトラックが出入りする1階では、入荷から仕分けを24時間体制でスピーディに行なう。
 室温は常に5℃。運ばれてきた野菜がいつ入荷したものかを一目でわかるようにマークをつけ、鮮度を落とさないように、ただちに次の工程に受け渡す。
 出荷先店舗ごとに仕分けする作業で活躍するのが「オートソーターシステム」。受発注システムと連動し、必要な野菜の種類、個数を自動的に店舗ごとのカゴに運ぶように指示を出している。仕分けた野菜をカゴのまま、トラックで出荷。少しでも早くユーザーに野菜を届けるよう次々とトラックが出発している。

2階のカット野菜加工室
カットした野菜は店舗ごとに細かく仕分ける

 カット野菜を手がける2階では様々な機械が稼働している。
 野菜を切る工程では大型のスライサーが大活躍。衛生的に、スピーディに見た目も美しく、野菜をカットするためには欠かせない。ネギのスライスを一瞬にして山積みされる姿には、同社がこだわる「Fresh & Speedy」を具現化している光景を見せつけられてしまう。
 カットした野菜は洗浄の工程へ。野菜洗浄機の水流でていねいに洗い流した後はスタッフの目と手を使い、ゴミや虫などの混入がないかチェックする。葉物は特に念入りに1枚1枚を確認する。
 洗浄後は計量しながら袋に詰める。ここでは計量機と包装機を配置しており、1つの種類の野菜だけのパッケージもあれば、機械を使い複数の野菜を混ぜたミックス野菜パッケージも手がけている。

 フードエンジニアリングタイムス(FEN)2012年5月23日号掲載