ダイキン、低温用エアコン1月発売
省エネ追及 食品工場、冷蔵倉庫向けに強化

 ダイキン工業は冷凍食品や水産物・アイスクリームなどの食料品の保管に用いる低温用エアコン「冷凍ZEAS」を来年1月下旬から発売する。今年初めに2〜3馬力の2機種を発売しているが、食品工場や冷蔵倉庫向けに5〜20馬力の5機種を加え、ラインナップを強化する。
 冷媒はR410Aを使用。冷凍業界で主流のR404A冷媒と比べ地球温暖化係数が半分であるうえ、圧縮損失が少なく、熱搬送能力が優れている。冷媒使用量が少なくて済むため、冷媒配管が細くでき施工性自由度が上がった。
 冷媒回路の途中から取り出した少量の冷媒を減圧し冷たくして、それを用い冷媒回路自体を冷やした後、圧縮機に直接注入する技術である「エコノマイザーサイクル」を採用。この技術は従来から、冷却能力やCOP(成績係数)を向上させる手段として、工場や倉庫用の大型冷凍機に採用されていた。小型冷凍機への採用は構造上困難だったが、新型スクロール圧縮機の開発により可能となった。その結果、同社の従来機では−30℃までだった冷凍庫内の使用温度域が−35℃まで拡張、年間消費電力量を15%削減するという。
 ガスを使って霜取りをするだけでなく、霜の付着具合に応じて加熱量を制御する方式を採用。定期的に最大能力で霜取りしていた従来機に比べ、余分な庫内温度の上昇が少なく、短時間で効率よく除霜でき省エネに貢献できるという。

低温用エアコン「冷凍ZEAS」