包装工程自動化で人員４割減
ニチレイフーズ 船橋第二工場
今春稼働開始したニチレイフーズ船橋第二工場（船橋市高瀬町）は、第１弾商品として関西工場から移管した市販用冷凍食品「ミニハンバーグ」を生産している。製法を一新し、包装工程を自動化することで以前に比べて包装工程の人員を４割削減した。さらに今秋の新商品「チーズが入った肉焼売」や「クリームシチューフライ」など、焼売、フライ品の生産ラインを増設、８月末から本格稼働している。
生産アイテム数は15〜16アイテムになった。焼売・フライは千葉港を挟んで対岸の日の出埠頭にある船橋工場からラインを移設した。直線距離にして約２kmだが、同じライン設備をセッティングしても、すぐに同じ品質の商品を生産することはできず、「ベテランのノウハウがあったからこそ、順調に稼働できた」と加藤達志工場長は振り返る。
「ダブルベルトグリル焼成」、「マルチスチーマー」で“外はこんがり、中はふっくらッジューシー”を実現した
船橋第二工場の特徴は�‐ι蔑篭�化と生産の効率化��環境配慮・省エネルギー対応�Ｉ兵全浜�体制の強化――。
関西工場から移管した「ミニハンバーグ」は製法、生産設備を一新。「ダブルベルトグリル焼成」、「マルチスチーマー」を導入することで“外はこんがり、中はふっくらジューシー”に改良した。
長さ10ｍ程の焼成ラインでは、入り口から出口までを複数のゾーンに分け、火力を微妙に調整し、最適な焼き上がりを実現している。焼成前は原料肉を正円に成形しているが、焼成によって若干縮むため、焼成機から出てくる時には楕円形になっている。さらに中まで熱を通すためのマルチスチーマーも圧力、湿度、温度を調節しており、「今でもデータを取りながら、ベストポイントを探っている」（小幡修平開発グループリーダー）という。
トレイ詰め、箱詰め、パレタイズを自動化したことで包装工程の人員を約４割削減することに成功した。凍結したハンバーグを「パラレルロボット」が１つ１つラインから吸い上げ、トレイに詰める。12台で高速処理するが、欠けている製品や焼き色が良くない製品は事前に選別し、ロボットが選ばない仕組みになっている。
自社開発したシステム「ＰＡＳ」（プロダクション・アシスタンス・システム）が業務の効率化に大きく貢献している。2006年に開発した同システムは原材料から製品までのトレーサビリティ、原材料使用期限管理、配合ミス防止に役立ったが、船橋第二工場ではさらにバージョンアップし、生産管理機能を追加した。
工程ごとにＰＡＳ端末を配置し、「ニーダーに水○リットル入れて下さい」、「表示されている原料のラベルをスキャンしてニーダーに投入してください」、「ニーダーの羽根を回して撹拌してください」などの作業ナビゲーションと同時に、投入する原料管理番号の入力が求められ、クリアしないと次工程に進めない。また、生産データをリアルタイムで管理し、電子帳票化を実現。ペーパーレス化したことが作業の効率化に大きく寄与しているという。
環境配慮・省エネルギー対応では、凍結設備に自然冷媒セントラルマルチユニット方式を採用。これにより消費電力を15％削減した。さらに全館ＬＥＤ照明にすることで同じく消費電力を22％削減した。
「超音波シール方式」を採用することで、パッケージを圧着するシール面の幅を小さくした。これにより年間で４％（2.3ｔ）のフィルム使用量を削減することができる。
フードディフェンスでは�／�頼関係をつくる��不審者を入れない�９況發気擦覆きぞ斂世任�る（行動履歴）――という４原則を取り入れた。従業員１人ひとりがＩＣタグを持ち、敷地内、建物内、生産エリア内と３段階で入退管理しており、誰がいつどこに移動したのか、行動履歴が残る仕組みになっている。部外者・不審者の侵入は容易ではない。
「パラレルロボット」でミニハンバーグを素早く正確にトレーに詰める