ノイズに強い金属検出機を開発
「誤作動」を防いで食品ロス低減
新機種「MetaHawk３PLUS」の
検査コイル
異物検査機メーカーの�螢轡好謄爛好�エア（新潟県長岡市、山田清貴社長）は金属検出機の新機種「MetaHawk３PLUS」をこのほどリリースした。検査に有害な外部ノイズへの耐性を強化するなど装置運用の安定性と感度ををこれまで以上に高めた。「誤作動」によるフードロスを低減する。
食品製造現場などでは金属検出機を運用する際、誤作動に悩まされることが少なくない。金属検出機は外部からの振動やノイズの影響を受けやすく、感度を上げて運用するほど誤作動のリスクが高まる。振動やノイズを発生させない対策が必要だが、製造現場での対応にも限りがある。
そこで同社は金属検出機の心臓部にあたる検査コイル（磁界発生器）にノイズを遮断する対策を施した。静電気の影響や、環境の温度変化に由来する歪み、電源ケーブルや周辺機器が発するノイズの最適処理などを徹底的に見直し、高感度で安定した運用を実現した。
実用感度を上げる新検査方式を開発
金属検出機は外部からのノイズだけでなく、商品（検査品）からも影響を受ける。特に水分や塩分を多く含むものは商品影響が大きくなる。そのため、商品の反応と異物の反応を高い精度で分離させる技術が求められる。
金属検出機は金属異物が検査コイルを通った時に発生する磁界の変化を捉えるが、今回の新機種ではこの変化を読み取るセンサー部で独自のデジタル信号処理技術を駆使し、商品の反応を小さく、異物の反応は大きくして「実用感度」を高めるアルゴリズムを開発した。漬物やハム、ウィンナー、味噌などで効果を発揮する。新検査方式「Ｅモード」は用途別の全ラインナップに標準搭載する。
このほか、環境の温度変化や経年劣化によって検査ポイントのバランスが崩れるのを防ぐ自動調整機能（特許出願中）、必要以上に感度を上げて誤作動を誘発するのを防ぐテストピース最適化設定機能なども搭載した。
同社は新製品の開発に積極的に取り組んでおり、デュアルエナジーセンサー搭載のＸ線検査機を３年前に発売したほか、昨年はＡＩ（ディープラーニング）搭載のＸ線検査機を発表し、話題を集めた。
ベルトコンベア方式の「MetaHawk３PLUS」、小物検査用（左）と大袋品用