太陽光発電システムの下でキクラゲを栽培

 再生可能エネルギー事業を専門に取り扱うサステナジーは、「登米善王寺太陽光発電所(発電容量2MW/宮城県登米市)」と「加美八幡堂太陽光発電所(同2MW/宮城県加美郡)」で、太陽光発電とキクラゲ栽培を両立するソーラーシェアリング事業を開始した。
 日立キャピタルが太陽光発電設備のプロジェクトファイナンス型リースを提供し、大和ハウス工業が設計、調達、建設、保守を行う。

  太陽光発電所下でのキクラゲ栽培の様子

 ソーラーシェアリングは日射を必要とする作物を生産するために小型の太陽光パネルを採用し、下部の農地にも太陽光を採り入れるのが一般的。この案件では太陽光発電システムを建設してできる日陰を活用し、日射がいらないキクラゲを栽培作物にした。 キクラゲは国内で流通している商品の9割以上を中国からの輸入に依存しており、希少価値の高い国産品はニーズが高く、今後の販路拡大が見込める。
 営農については、宮城県の農業生産者であるアグリ古川農産とスワンドリームが地元住民を新たに雇用して栽培を6月から開始している。全ての面積を使用して栽培すると年間約4万kgの収穫量になる。9月末からは太陽光発電を開始。全量を東北電力に売電する。

 ソーラーシェアリングは農地の有効活用、再生可能エネルギーの普及を目的として、営農の継続を条件に耕作放棄地などを一時転用し、営農を継続しながら上部の空間に太陽光発電システムを設置する。耕作放棄地の有効活用や新たな雇用創出などで地域の活性化が見込める事業モデルとして、ソーラーシェアリングを行う設備を設置するための農地転用許可の件数はこれまで累計770件以上。さらなる普及が期待されている。