阿部氏
食品技術コンサルタントとして多くのメーカーと生産現場を見てきた阿部氏。冷食、水産加工、惣菜など幅広く手掛け、商品開発から品質管理、工場運営や低温流通の改善手法などを助言してきた。日本技術士会の水産部門も担当しており、その豊富な経験と知見はよりよい生産現場を築くうえでヒントとなるだろう。
シリーズ「食の安全」と「ものつくり」――。今号から連載スタートする。
プロフィール
(あべ・ますお)日本冷蔵(現ニチレイ)で主として生産部門を歩み、焼津、船橋などの工場長を経験したのち新規事業として中国進出を手がけ、米国子会社の社長に就任。商品開発室長時代はアセロラ飲料やサクサクコロッケの開発を担当した。
ニチレイを退社後、東洋製作所に移籍、常務技術営業本部長に。今日まで半世紀にわたる食品の生産・開発・技術分野の経験を生かしてABE技術士事務所を開設、食品工場の指導に当たっている。
はじめまして、自己紹介をさせて頂きます。私は長年(54年間)にわたって低温分野の加工・品質管理・開発・海外・エンジニアリングをニチレイと東洋製作所で携わってきました。
母校の三重大学生物資源学部(旧水産・農学部)非常勤講師を1998年から10年間務め、教室で接した若い学生から元気をもらいました。
現在は技術士(水産部門)として(1)コンサルタント(12年間)、(2)中小企業の食品技術指導、(3)社団法人大日本水産会の北米のFDA方式のHACCPの講師・審査員として普及に努めています。
その共通項は冷凍食品であり、日本冷凍食品協会の統計の初年度(1958年)以来からの付き合いで、冷凍食品業界と共に今日まで歩んできました。結果として私のライフワークと言っても過言ではないと思っています。
FENの設立に越川宏昭社長からご相談があり、いろいろご意見を申し上げた1人です。長年の知り合いの中で以前から投稿の依頼されていましたが、何分にも文才がなくご遠慮申し上げていました。そろそろ年貢の納め時かもしれません。
いやな表現の後期高齢者の仲間になりましたが、記憶が薄らぐ前に活字にして置きたい意欲が出てきまして、ご要望にお応え、投稿することに決意いたしました。短い期間ですがお付き合いの程よろしくお願い致します。
今回テーマ「食の安全」では食品事故の予防としてHACCPをわかりやすく、現状と現場からの目線でお話をさせていただきます。
もう一つのテーマ「ものつくり」は一般には自動車産業の話が多く語られますが、食品産業の、主として現場から見た冷凍食品・水産加工の私の経験した事例を中心に進める予定です。
読者の皆様からのご意見ご要望・ご質問は大歓迎です。何なりとご指摘いただければ幸甚です。