生産販売統合システムを紹介、中小食品工場で実績積む

 食品製造業向けに特化したソフトウェアを開発販売するローゼックは、生産販売統合パッケージ「クラフトライン」のトレーサビリティ機能と原価計算機能を連動させた新バージョンをFOOMAで紹介する。

 クラフトラインは生産管理や販売管理、在庫管理、受発注管理、トレーサビリティ、原価計算などの機能を持つ統合型システム。最新バージョンでは、作業実績をもとにしたリアルタイム原価計算や各種警告表示、工場全体の前日速報など経営層の意思決定に役立つ機能を追加した。トレーサビリティ機能と原価計算機能を連動させたことで、製品のトレースだけでなく、日々の生産活動における損益が正確に把握できるようになった。
 これらの機能を活用するには、入荷単価や投入量、完成量、作業時間などの実績データを入力する必要があるが、システムが自動的に計算・分析してくれるため、標準原価との大幅な差異が生じた場合は、警告を発することが可能になる。
 惣菜工場や飲料工場など中小の食品工場で導入が進んでいる。クラフトラインを導入したカット野菜工場では、日々刻々と変わる作業実績データから原価を計算するため、正確な分析ができ、「気が付かないうちに赤字の仕事をしていた」というような事態を避けられるようになった((株)オーピーシートレーディング参照、FEN2014年12月3日号スポットライト掲載)。
 ホーム画面では、未入荷情報や停滞在庫、原料資材や製品の消費期限切れ、各ラインでの損益状況など、さまざまな警告を一覧で表示。これにより重要な情報が閲覧者全員で横断的に共有されるため、問題を見過ごすことなく、対応がより迅速になった。
 「スマートフォンやタブレットから利用可能な機能が増え、営業担当者が出先からトレース情報を確認できるようになった。既存顧客の満足度向上や、新規取引先の開拓につながる」(早川雅人社長)と期待している。
 また、同社の手書き帳票管理システム「カミトレ」と連携させることで、中小規模の食品工場でも無理のないトレーサビリティ支援を推進する。

「クラフトライン」のホーム画面
現場担当者向けの警告と経営層向けの前日実績速報値が表示される