熱源にペレット使うピザ窯発売

ペレット石窯。左の箱からペレットを投入する

 有限会社ウェック(埼玉県日高市、太田勝久社長)は熱源に木質ペレットを使うピザ窯を自社開発した。熱源はガスか電気が一般的だが、ペレットを使うのは珍しい。1枚焼きタイプが1台120万円。ピザ専門店など飲食店向けに11月から納品を開始する。
 ペレットは、間伐材を粉砕したものや、製材・廃材のおがくずなどに熱と圧力を加えて直径6〜12mm、長さ15〜30mmに固めた燃料。木材の成分であるリグニンを熱で融解し、再度固着させて成形するため接合剤は使っていない。
 ペレットのような木質バイオマスエネルギーは、大気中の二酸化濃度に影響しないクリーンエネルギーとされている。


      焼き上がったピザ

 

 新開発した1枚焼用のピザ窯は直径26〜27cmのピザを500℃以上の高温で90秒かけて焼き上げる。上段にオーブンを併設し、ピザを焼きながらパンなど異なるメニューを調理することもできる。木質ペレットは1kg当たり70〜80円程度で、1時間でおよそ1〜1.2kgのペレットを燃焼する。ガスよりは安価になるという。
 太田勝久社長は「ペレットも我々が提供するが、ユーザーが全国各地にあるペレット工場から独自に仕入れても構わない。地球環境に優しい点はアピールポイントになるが、一番のポイントは焼き上がり。味で勝負できる」と自信を深めている。
 同社はペレット石窯のアンテナショップ「ウッドベイカーズ鶴ヶ島店」(埼玉県鶴ヶ島市)で、新規開業や独立を考えている人を対象に、ピザを焼く無料体験を定期的に開いている。