AIを使って密漁を監視するシステム

 NECフィールディングは最先端AI技術「NEC the WISE」の1つである「RAPID機械学習技術」を活用し、密漁を24時間365日監視する「密漁監視システム」を6月26日発売した。
 RAPID機械学習技術とは画像・テキストなど非構造化データに対応した高速、軽量な機械学習アプリケーション。お手本データを学習させることで、判断モデルを自動生成する。低コストで高精度な画像分類やマッチングシステムを実現できる。
 密漁監視システムは湾内の複数個所に設置した監視カメラの画像を解析し、不審船を自動的に発見して、県漁連や漁協に警報を伝える。24時間365日監視し、システムの構築、運用・保守までトータルにサポートする。機器にトラブルが生じた場合は、最寄りの拠点からカスタマエンジニアが現地に駆け付けて復旧する。
 価格は機器の設置工事費、運用開始後の保守・監視サービス費用は別見積りで、最少構成の機器と設計構築作業の組み合わせで税別1500万円。

なまこの漁業被害を防止

 同社は青森県漁業協同組合連合会(=青森県漁連、赤石憲二会長)にこのシステムを4月納入している。
 青森県漁連は日本海、津軽海峡、太平洋と三方の海を内包する陸奥湾に囲まれている県内の各漁業協同組合が組織する協同組合連合会。同漁連はこのシステムを活用し、近年増加している陸奥湾のなまこの漁業被害を防止して、資源の枯渇を防ぎ、なまこの安定供給をめざしている。
 陸奥湾内にサーマルと高解像度を組み合わせた可用性の高い高機能監視カメラを設置し、監視センターでカメラ画像を一元管理するとともに、AI(人工知能)で画像を解析して、不審船や不審者を自動的に発見し、県漁連や漁協に即時に通知している。
 これにより、陸奥湾内の不審船監視の作業負荷を軽減し、なまこ密漁の抑止となまこ供給量の安定化が実現する。