介護食の新商品、独自技術「酵素均浸法」活用

 大塚グループの経腸栄養剤メーカー、イーエヌ大塚製薬(岩手県花巻市、戸田一豪社長)は、摂取回復支援食“あいーと®”の秋メニュー「栗ごはん」を10月22日に全国発売、「牛肉の赤ワイン煮」など4品を11月26日から通信販売限定で販売する。
 新商品「栗ごはん」は、食感の甘い栗を使用し、出汁・醤油などで炊き上げた秋の風味が楽しめる1品。ごはんは全粥と同等の柔らかさながら、粥独特の糊っぽさがなく、普通に釜で炊いたように米粒の形がしっかりとし、米の風味そのままに仕上げた。全粥と比べ1.5倍のエネルギーなので、少量でも栄養を摂取しやすい。内容量86g、希望小売価格473円(税込)。この他、「牛肉の赤ワイン煮」(66g、578円)、「豚肉の生姜焼き」(66g、578円)、「海老芋の柚子蒸し」(78g、499円)、「五目ひじき」(82g、399円)がある。
 咀嚼力が低下した高齢者、摂食機能が低下した人、刻んだり潰したりする食事(調理の手間)に満足できない(悩んでいる)人、栄養バランスや十分な栄養摂取に不安が残る人などが対象の食事。
 “あいーと®”は、通常の食事を摂ることが難しい人の食べる機能と、栄養状態の回復を支援するための食事(冷凍食品)。独自の新技術「酵素均浸法(酵素均質浸透法)」により、食材本来の形・色・味・栄養素をそのまま保ち、舌で崩せる軟らかさに仕上げている。
 おかず2品とごはん1品を1食の目安として、3食で約950〜1300㎉のエネルギーが無理なく摂取できるよう設計している。調理は蒸し器か、電子レンジで温めるだけの手軽さ。食事の準備時間を短縮し、介護する側とされる側の双方が重宝する。2010年から発売し、秋の新商品を含め全37品の品揃え。
 病院・施設向けには全国の契約代理店(国分、ナックスナカムラ、三井食品など)、個人向けには全国の小売店の他、通信販売、ホームページ内、オンラインショップで全国に発送している。

都内の百貨店で、あいーと試食販売

“あいーと”を試食するお年寄り
(ダイシン百貨店の介護用品売場で)

 イーエヌ大塚製薬は、東京都大田区のダイシン百貨店の1階介護用品売場で、摂取回復支援食“あいーと®”の試食販売を10月31日実施した。同店は冷凍ショーケースを常設して“あいーと®”を販売している。メニューを試食した来店者は「普通の介護食と違って見た目がきれいで食欲がわく」と語っていた。
 ダイシン百貨店は、生鮮食品から園芸用品まで日常をサポートする幅広い品揃えを誇る地域密着型百貨店。東京の昔ながらの住宅地に立地し、顧客の7割が50歳以上だという。こうした環境を背景に、充実した介護用品の品揃えに定評がある。