プロが書いた「海外の食品製造現場」

 防虫・総合衛生管理コンサルタントの今野禎彦氏が著わした『海外の食品製造現場と日本人駐在員』がこのほど幸書房から発刊された。

海外の食品工場に赴任する前に
ぜひ読んでみては

 今野氏は、幼少の頃から中高生時代まで一貫して昆虫好き。大学では昆虫学を専攻し、卒業後は防虫管理会社に就職する徹底ぶり。会社員時代を振り返り、「(食生活の変貌から)製品内に虫が混入することを防ぐ仕事が多くなり、各食品製造現場で『昆虫と対決』する日々が続いた」という。
 その後、日本の食品会社の海外進出に伴い「海外で『昆虫と対決』する機会が増えた」。こうした国内・海外での経験を基に書き上げたのが本書。専門分野の防虫・衛生管理をわかりやすく解説している他、海外の日本人駐在員の苦労話などを温かい目線で描いている。
 防虫・衛生管理の専門書というよりも、その筋の専門家が見た喜怒哀楽を綴ったドキュメンタリータッチの書籍。これから海外の食品工場に赴任する人にとって必見の書。
 (1)海外駐在辞令の発令から、(2)国によって異なる食文化と衛生意識、(3)防虫の世界、(4)施設内の害虫駆除の考え方、(5)世界の食品製造現場(アメリカ・中国・韓国・イタリア・トルコ・タイ・ベトナム・インドネシア・シンガポール)、(6)海外に駐在する人への心得と助言、(7)海外駐在を楽しむ精神力と苦労の伝承――の7章で構成。150頁。定価1600円(税別)。
 初版特典の「電子書籍版」は、無料ダウンロードサービス付き。PCやスマホなどでも読める。