卵はグループの宝物、価値を届けるのが使命
キユーピータマゴ�蝓‖緝充萃�役社長 高宮満氏
「キユーピー」ブランドを中軸で支えるキユーピータマゴ��のトップに昨年２月就任した。折しもコロナ危機が会社を直撃するが、渦中にあって強みと弱みを冷静に分析し、攻略業態のウエイトを見直すなど市場変化への対応を着実に進めてきた。日本の生産量の10％を取り扱う卵はグループにとって宝物。素材から加工、日配、凍結卵まで手がける間口の広さを生かして「卵の価値をお客様に届け、社会に貢献することが使命」と言い切る。
高宮社長
――キユーピーのファインケミカル本部長から昨年２月キユーピータマゴの経営トップに。社内に最初に呼びかけたことは。
高宮 タマゴの魅力は無限大、自分たちの仕事に誇りと自信を持って、元気に前を向いて歩みを進めよう、こう話しました。
――与えられたミッションは？
高宮 長南収ＱＰ社長は「タマゴのキユーピー」の世界を確立してくれ、前任の齋藤謙吾ＱＰタマゴ社長からはシンプルだけど難しい世界、どっぷり浸かって楽しんで苦しめ、と激励されました。
――ＱＰタマゴの強さとは。
高宮 全国を網羅する規模の大きさ、素材から加工まで、日配液卵から凍結卵・乾燥卵まで持つ間口の広さが強みです。
――どんなＱＰタマゴをめざしている？
高宮 �，�客様に価値をお届けし、社会に貢献する会社、��働いている人たちが幸せになれる会社、�Ｌ戮�る会社……です。
――就任早々コロナが拡大。
高宮 昨年の着任以降、厳しい外的要因が続いています。コロナの直撃で、ホテルや外食、土産物業界の冷え込みは大きく、その影響がいまも続いてます。加えて鳥インフルエンザによる採卵不足と卵価高が襲い、過去に例を見ない厳しさです。しかし苦しくなったため顕在化し可視化できた当社の「強みと弱み」を受け止め、強みを伸ばしながら課題解決を進めています。攻略業態のウエイト見直し、強化するカテゴリー順を変更するなど。内的要因では適正在庫の考え方、調達方法の工夫などを進めており、外的要因が落ち着いたころには一層強い会社になっているはずです。
――ＱＰの卵の位置づけは。
高宮 客観的に「卵ほど魅力的な商品はない」。おいしい、彩り鮮やか、様々なメニューに使われる、栄養価に優れる、購入が容易…。この卵を日本の生産量の10％も持っているのがキユーピーグループ。卵はグループの宝物的存在。この魅力を商品、サービス、情報の形で幅広く多様なお客様にお届けし、社会に貢献することが使命。
――業界に発信したいことは？
高宮 産業の価値を高めたい。卵はこれほどまでに魅力がありながら、社会的評価が低い。養鶏業・鶏卵加工業者が一緒に卵の価値を高める活動をすべき。業界の連携が不可欠。商売では競争、一方で同じベクトルの歩みも必要です。
（たかみや・みつる）1987年キユーピー入社。研究所配属。2009年商品開発センター長。12年２月執行役員研究所副所長、同７月研究開発本部長。15年マーケティング本部長として新たな学びを経験。17年ファインケミカル事業担当。19年上席執行役員ファインケミカル本部長。20年２月、キユーピータマゴ社長に。趣味はイベント企画、スポーツ観戦、ウォーキング、カメラ撮影など。専門知識を請われ、講演や大学の客員教授も務める。1961年４月22日東京都台東区浅草生まれ。都立小松川高校から東京水産大学食品生産科学科卒、同大学院を1987年修了。先月還暦を迎えた。