惣菜協会主導のロボットプロジェクトに参加

 弁当盛付けや海苔巻き製造などの人型協働ロボットを開発するアールティ(東京都千代田区、中川友紀子社長)は、日本惣菜協会が主導する「ロボットフレンドリー」な環境構築の研究開発プロジェクトに参加する。惣菜の盛付けに特化した人型協働ロボット「Foodly(フードリー)」を実際の食品工場に試験導入し、実用化に向けた検証を行う。

 ロボットフレンドリーな環境とはコスト面や運用面などの課題をクリアし、生産現場にロボットを導入しやすくすることで、経済産業省が2019年から研究開発を支援する。今回のプロジェクトは経産省の「2021年度 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に採択された日本惣菜協会が幹事会社となり、アールティを含む16社が参加する。

 惣菜の盛付け工程は自動化が特に難しい分野とされる。柔らかくて形が不揃いの惣菜を素早く、きれいに盛り付けることは現代のロボットにとっては難易度が高く、あえて実現しようとすれば開発費用が高額になる。

 そこで発想を逆転し、ロボットが盛付けしやすい方法やつかみやすい包装容器のあり方を整理したうえで、盛付けロボットシステムの研究開発に取り組む。研究開発の成果が横展開できるように、導入コストが低い廉価なロボットやトップシール機などの開発も同時に進める。

  試験導入のイメージ、中央が惣菜の盛付けに特化した人型協働ロボット「Foodly」

 アールティが担当するのは盛付けロボットのテスト稼働。人型協働ロボット「Foodly」を調味料メーカーのイチビキ(名古屋市)、弁当・惣菜メーカーのヒライ(熊本市)、藤本食品(和歌山県岩出市)の工場に導入する。これまでの盛付けノウハウに加えて、3社がそれぞれ提供する食材のピッキングを検証することでロボットによる盛り付け方やつかみやすい食品の形状、包装容器のあり方などについて検討する。