生産能力の増強が必須に、ロボット化やAI化もテスト中
ヤヨイサンフーズ 専務取締役生産本部長 佐々木尊司氏

 今上期の売上高は4.8%増と順調に推移しているヤヨイサンフーズ。そろそろ生産能力を一段階高める必要性が出ているという。

    佐々木専務

 ――生産増強が必要な状況になっている。
 佐々木 4工場はすでに生産能力が上限に達していて、なかなか生産量を増やすことができません。そこで、親会社と相談し、どういう形で作れば最適なのかを検討しているところです。まずグループの中での生産施設の活用を考え、次に新工場を検討することになります。両睨みで提案しているところです。
 ――どのくらいの能力が必要に?
 佐々木 現状の想定では少なくともあと3ライン必要です。
 ――九州工場の介護食「ソフリ」のラインを今年のゴールデンウィークに増強した。
 佐々木 能力を1.5倍にしました。ただ、以前は320〜330日稼働でしたので、平日250日換算であるとすぐに足りなくなることになります。現状の稼働日数なら2〜3年は足りる計算になりますが、ベースが小さいので、もし3割増ペースになれば1〜2年で足りなくなります。
 ――他の生産増強投資は?
 佐々木 大きいのは「ソフリ」だけですね。黒本社長体制になってから、どちらかと言えば働きやすい工場にしようということを優先しています。それは生産部門も同じ考え。まず省人化・省力化をと。
 ――省力化としてはバケット洗浄機などを導入している。
 佐々木 洗浄工程はできるだけ機械化します。長岡工場(新潟)のハンバーグの包装工程も一部自動化しました。できればあと2〜3ラインは自動化したいのですが、スペースが課題です。
 ――日本の包装工程の自動化技術は近年、飛躍的に進んでいる。
 佐々木 九州工場の第2工場はハンバーグ、メンチカツ、牛スキなどの3ラインがあり、そこには年末年始にパレタイズロボットを導入します。清水工場(静岡)でもロボット化やAI化のテストをしています。人が歩く後を自動で付いてくるワゴンなどです。 
――単品の収益管理ができるようにした。
 佐々木 昔は工場単位の利益管理でしたが、それがラインごとになり、今期から商品ごとに利益が見られるようにしました。工場の効率化とあわせて利益改善につなげていきます。