搬送器具の管理システムで製造現場を効率化

 日本ユニシス(東京都江東区)は製造や物流などの現場で使用するパレットやカゴ車などの搬送器具を管理するシステム「Palle Tracer」を提案している。搬送器具にICタグを活用することで入出荷管理や在庫管理、外部への貸し出し管理を容易に実現する。食品製造現場でも導入を増やしている。
 リターナブル(回収再使用)な搬送器具の動きを「可視化」するシステム。工場、物流センター、店舗に固定型リーダ・ライタ(ゲート型)とハンディ型リーダ・ライタを設置して運用する。
 店舗から返却されたカゴ台車を入庫ゲート通過時に、カゴ台車タグを読み取り返却実績を登録する。出庫も店舗バーコードとカゴ台車タグを読み取り、カゴ台車の出荷実績を登録する。棚卸は倉庫内にある全カゴ台車のタグをハンディ型リーダで読み取り、棚卸実績を登録する。
 出荷時は積込み直前、積込み対象のカゴ台車の項目の出荷明細をチェックする。
 事務所で「Palle Tracer」の専用ソフトを使ってカゴ台車の貸出、在庫、入出庫をトータル的にデータ管理する。

往来の激しい食品現場に最適

 食品製造現場で活躍している。紀文食品ロジスティクス子会社の紀文フレッシュシステムは「Palle Tracer」を採用。店舗と物流センター間でチルド食品を搬送するために使用しているカゴ台車へICタグを取り付け、カゴ台車の入出庫、在庫管理を実現した。紀文産業が開発したICタグ取り付け治具(輪きち)によりカゴ台車にICタグを取り付け、現場に見合ったシステムにしている。往来の激しいカゴ台車の管理が容易になり、作業効率が上がった。
 「商品を管理するシステムはあっても、搬送器具を可視化するシステムはなかなかない。現場では意外なほど搬送器具の紛失に悩まされている」(日本ユニシス)とし、製造・物流をサポート、メーカーの商品づくりを支えている。