サンマ漁況、今年も低水準の予想

 水産研究・教育機構は、今後の道東〜常磐海域におけるサンマ漁況の見通しを7月30日公表した。同機構の水産資源研究所が関係試験研究機関による資源調査結果などを踏まえて取りまとめた。

 漁期を通じた来遊量は昨年を上回るものの、2019年を下回る見通し。1歳魚の平均体重は昨年を上回る120〜140gが主体となるが、1歳魚の割合は50%を下回る。

 漁場は9月の一時期(上旬〜中旬)を除き公海が中心。最初に日本近海に来遊する魚群は8月下旬の予想で、択捉島より北の千島列島沿いに到達するものの、魚群の密度は低い見込み。

 9月下旬以降は公海に主漁場が形成されるが、三陸海域への魚群の南下時期は例年より遅く、漁場形成は10月下旬となり、来遊量も少ないとしている。

                サンマ漁獲量の推移

 日本のサンマ漁獲量の95%以上が指定漁業である北太平洋サンマ漁業のもとで棒受網によって漁獲され、1950年代に漁獲量が急増した。80年代後半以降は概ね20万〜30万tで推移してきたが、2010年以降は減少傾向となり、20年の漁獲量(3.0万t)は棒受網漁業が普及した1960年代以降で最も少ない数量となった。

 漁期は2018年まで8〜12月と定められていたが、19年3月に農水省の省令改正で漁期の制限がなくなった。