食品企業、半数が「海外」に前向き

 日本政策金融公庫(日本公庫)農林水産事業が7月に実施した2014年上半期食品産業動向調査(特別設問)によると、食品関係企業(製造業、卸売業、小売業、飲食業)の輸出や海外展開の取り組みについて、5割の企業が輸出に前向きな姿勢を示した。調査対象のうち4割の企業が中国・米国・台湾を中心に海外展開に取り組んでいる、あるいは計画中、関心があるなどの意欲を示した。
 海外展開とは、海外法人への出資や業務提携、もしくは海外での法人・店舗などの設立を指す。
 農林水産物の輸出については20.4%が「既に取り組んでいる」と回答。「検討または計画している」が6.8%、「関心はあるが、検討していない」が23.0%だった。
 輸出に「既に取り組んでいる」「検討または計画している」と回答した企業に、取り組みの方法や形態(複数回答)を聞いたところ、「商社などの他の企業を経由して輸出」が85.3%と圧倒的。「直接に輸出」は28.1%だった。
 海外展開の方法(複数回答)は出資や業務提携が58.8%で、「海外に販売拠点を設立」は32.0%、「製造拠点を設立」は27.5%。
 輸出と海外展開では対象国・地域に違いがある。輸出は香港が47.0%で最も多く、台湾(46.7%)、米国(41.6%)、中国(34.5%)と続いているのに対し、海外展開では中国が41.9%で1位。以下、米国(22.8%)、台湾、タイ(ともに20.3%)の順。
海外展開に使用・販売している品目は25年上半期の調査では「酒」が1位だったが、今回はトップが入れ替わって「水産品」が最も多かった。3位は「しょうゆ・みそ」、4位「日本茶」、5位が同率で「米」と「野菜」。
 調査は7月1日に実施。調査対象は7207社で回答率は40.3%。