業務用空調機の施工拠点を千葉に新設、約64億円投資

 鴻池運輸は業務用空調機のテクニカルセンター「テクノロジス幕張」を千葉県習志野市に2024年2月開設する。鴻池運輸が空調機メーカーやサブコンストラクター、空調機代理店向けに提供する独自サービス「konoike-Multi Vendor System(K-MVS)」の主要拠点で、空調機の据え付けに必要な配管・配線工事などを一括で行い、施工現場に納品する。生産性向上や労働負荷軽減、環境負荷軽減に貢献する。投資額は約64億円。

     業務用空調機のテクニカルセンター「テクノロジス幕張」(イメージ)

 空調機メーカーが業務用空調機をオフィスビルや商業施設などに施工する場合は、一般的にサブコンが空調機や部材などのベンダーと連絡を取りながら調達し、施工現場で組み立てながら据え付ける。

 しかし、この方法では現場で空調機の配管や配線工事が必要なことに加え、部材の余剰在庫や保管場所の確保、納品車両の待機によるドライバーの負担、CO2排出量増加、煩雑な手配の発生など様々な課題がある。

 鴻池運輸が提供する「K-MVS」は部材の受入れから在庫管理、改装(加湿機器等のオプション取付け、板金製作・加工、塗装など)、仮組・プレハブ化までワンストップで行うもので、施工現場では空調機の仮置きと据え付けを行うだけで済む。

 「K-MVS」はこれまで鴻池運輸の既存拠点で提供してきたが、首都圏の旺盛な再開発事業を背景に空調機改装の需要増加が見込まれることから「テクノロジス幕張」を開設した。「K-MVS」の提供体制を強化する。 

空調機を取り付ける架台組み立ての作業イメージ

  架台に空調機を設置する作業イメージ