岩手産直のバイオマス発電購入を長期契約、地域活性化へ

 鶏ふんを利用したバイオマス発電事業を手がける鶏肉製造大手の十文字チキンカンパニー(岩手県二戸市、十文字保雄社長)とパルシステム電力、パルシステム生活協同組合連合会の3者は、取引電力の一部に「オフサイトPPA」を採用し、7月1日から取引を開始した。価格変動リスクを軽減し、安定した出力供給が可能になる。

 「オフサイトPPA」は発電事業者と電力利用者が中長期にわたる購入を契約する仕組み。長期契約で購入することで市場価格の変動の影響を受けにくくなり、安定した価格で利用することができる。

 今回の契約では十文字チキンカンパニーのバイオマス発電所(岩手県軽米町)で発電した電力をパルシステム電力が購入して、パルシステムと関連の物流センターなど11カ所の事業所で消費する。

 今後はパルシステムグループの各生協事業所や一般家庭への利用拡大も検討するという。再エネの利用が広がれば、十文字チキンカンパニーにとっては売電量が増えることになり、養鶏規模の拡大につながりやすい。パルシステムは産直による再生可能エネルギーの利用を広げ、地域活性化へ貢献することもめざす。

  十文字チキンカンパニーのバイオマス発電所(岩手県軽米町)、発電規模は6460kW