日本水産は水産品を中心とした食品の軽加工からピッキング・配送、出荷まで一連の作業をまとめて代行する「集約型流通事業」に乗り出す。新会社の�螢▲�アプラットフォーム（東京都大田区、木村健司社長）を１日設立した。出資構成は日本水産が70％、日水物流が20％、水産流通が10％。従業員は20名。本社は日水物流の東京物流センター（大田区）内に置き、生鮮加工のプロセスセンターを来年併設する。
スーパーなどの量販店では鮮魚加工の人手不足や熟練者の高齢化を背景に水産品の軽加工（刺身・切り身など）を外部に委託する動きが広がっている。さらに、コロナ禍で食品のネット通販が拡大しており、ピッキングや配送のニーズが高まっている。
一方で生鮮食品の流通加工を受託できる物流事業者は少なく、特に鮮魚加工が可能な施設を備えたところは皆無に等しい。
日本水産はグループ企業がそうした機能を持つことから、各社の強みを集結したうえでＩＴ技術を組み合わせ、一元管理によるローコストオペレーションの実現をめざす。
具体的な業務内容は商品の保管管理、受発注管理、水産品の軽加工、値付け、商品の温度帯変更、店舗別仕分け（ピッキング）、商品出荷などで、量販店のバックヤードと物流センターの業務を一括して代行することができる。
ピッキングと配送業務は来年１月から始動する。加工業務は東京物流センターの建物を一部改造した後、来年４月を予定している。当面は首都圏で事業を続け、将来的には関西や中京地区への拡大も検討する。
今回の「集約型流通事業」は中期経営計画（2022〜2024年）で打ち出した新規事業領域の開拓の１つで、事業化に対する期待度は高い。流通加工の受託業務による売上げのほか、日水物流の冷蔵倉庫の稼働率向上、さらにグループ各社の食材の取り扱い拡大にもつながるとしている。