福岡県宮若市をリテールＡＩの最先端基地に
スーパーやディスカウントストアを全国展開するトライアルホールディングス（福岡市、亀田晃一社長）は福岡県宮若市、九州大学と産官学協働で取り組む街づくりプロジェクト「リモートワークタウン ムスブ宮若」を本格始動する。宮若市を日本最大の「リテールＤＸ（小売りのＩＴ、ＡＩ化）」の開発拠点に発展させる。新たな地域創生の形として注目を集めそうだ。
今回のプロジェクトはトライアルと宮若市が協働で推進する地方創生・街づくり構想で、両者は連携協定を昨年締結した。市内の学校跡地を活用するなどしてリモートワークの環境を整備し、国内外からＡＩ、ＩＴ技術者らを呼び込み、リテールＤＸの開発拠点とする考え。すでにミーティングルームやシェアオフィス、コワーキングスペースを備えた研究施設「ムスブＡＩ」を開設した。
廃校となった小学校の校舎をリノベーションした「ムスブＡＩ」
スマートショッピングカートやリテールＡＩカメラなどのデバイス開発センター「トライアルＩｏＴラボ」も開設。トライアルと取り引きのあるメーカーのエンジニアと共同開発を進める。
トライアルグループでデバイス開発を手がける��Retail AI（東京都港区）の永田洋幸社長は７月29日の記者発表会見で「宮若市を日本のシリコンバレーのようにイノベーション創出の場所にしたい」と語り、日本各地からＡＩエンジニアを集めてリテールＤＸを加速する考えを示した。
デバイス開発を進める「トライアルＩｏＴラボ」