「鍋用!ズゴックとうふ」出撃、シール貼りは人の手で息吹与える
相模屋食料(2)

 鍋がおいしい季節。相模屋食料の第三工場では、「鍋用!ズゴックとうふ」を“量産”している。この商品は9月末から出撃開始。工場を訪問したときはこの出撃に立ち会うことができた。

 「豆腐をおもしろくする」をコンセプトにガンダムシリーズの豆腐は2012年誕生した。豆腐売場にあまり足を運ぶことのない男性に、豆腐に関心を持ってもらおうと「機動戦士ガンダム」のキャラクターとのコラボを実現した。
 第1弾は「ザクとうふ」。量産型ザクの頭部をモチーフにしたこだわりのある容器は、細部まで忠実に再現。味はビールに合うものを考え、ほんのり塩味のきいたコクのある枝豆風味に仕上げた。
 第2弾が「鍋用!ズゴックとうふ」、2012年10月に発売した。水陸両用モビルスーツ「ズゴック」の頭部をモチーフとした容器に豆腐を充てんしている。寒い季節の豆腐の食べ方である「鍋料理」に合わせるため、煮崩れしにくい鍋用として完成した。味わいは水陸両用の「ズゴック」らしく、潮の香りをイメージした“ほんのり昆布風味”にしたことで、寄せ鍋やすき焼きなど様々な鍋に合わせることができる。
 13年6月発売した、第3弾「ビグ・ザムとうふ」は2種類の豆腐と取扱い説明書を専用箱に梱包した業界初の“組み立てる豆腐”。ビグ・ザムの胴体部と脚部をモチーフとした容器に豆腐を充てんしている。アボカド風味のクリーミィさは調味料との馴染みがよく、ご飯との相性がよい。

 セットした「鍋用!ズゴックとうふ」の容器がコンベアを進み、豆乳を注入。その後蓋で密封する一連の工程も自動化している。
 ラインに入った容器は、内側を洗浄する。次に豆乳を注入。豆乳を注いだときに泡ができるが、それを充てん機に装備しているハケで取り除く。表面がきれいになったところでローラーを使い蓋を容器に固着させる。
 ローラーの後、水洗いして容器の外に付着した豆乳を洗い落とす。その後、凝固の工程へ。

セットされた「鍋用!ズゴックとうふ」の容器

豆乳を充てんする

ハケで表面の泡を取り除く

ローラーで蓋を容器に固着

水洗いして容器の外に付着した豆乳を洗い落とす。その後、凝固の工程へ

 加熱し、容器内で豆腐となったあとはクール漕に投入される。ここで冷やした多数の「鍋用!ズゴックとうふ」が、クール漕の中で出撃を今か今かと待ちわびている。
だが、これで完成ではない。
 水揚げしたあとはスタッフの手で水滴をふき取り、さらにエアブロアーで簡易乾燥させた後、仕上げに入る。

クール槽で待機する「鍋用!ズゴックとうふ」

 仕上げはモノアイシールの手貼りと袋詰め、「鍋用!ズゴックとうふ」専用の段ボールへ封入する工程。この時間になると、各所のラインスタッフが専用のコンベアを囲み、一斉に取りかかる。多いときには30名近くにもなるという。1機(1丁)あたりのシール貼り付け時間は、専用の台座にセットして、シールを貼り、またコンベアに戻すまで約2秒。その後、最終パッケージング専用コンベアを移動する。
 袋詰めした「鍋用!ズゴックとうふ」は、スタッフが1機(1丁)ずつ最終チェックを行い、専用段ボールに箱詰めする。
 シール貼りが終われば、スタッフはそれぞれの担当ラインへ“帰還”する。豆腐は日配商品のため、製造数量が日々変動する。その変動に迅速に対応するため、日頃から各部署がコミュニケーションをとり連携を充実させ、工場が円滑に機能できる体制を整えている。

量産の最終段階を待つスタッフ
各ラインから集まってくる

流れてきた! 一斉にモノアイシールを貼る

コンベアの両側に専用の台座があり、そこに装着してシールを貼る

ピーク時は30名近くになることも