機能性表示食品の届出が1400件を突破
吉野家も参入、カゴメは生鮮品で販売か
吉野家の冷凍牛丼の具
機能性表示食品の届出件数が2015年の制度開始以来、2018年７月までに1400件を超えた。特定保健用食品（トクホ）が制度開始から27年で1000件超であることに比べれば、食品メーカーの注目度の高さがうかがえる。
東京ビッグサイトで７月25〜27日開催された「第３回ウェルネスフードジャパン」でも機能性表示食品に注目が集まった。
吉野家は機能性表示食品の第２弾として２月に通販限定で発売した冷凍牛丼の具「ペプ牛」と「ＧＡＢＡ牛」をＰＲした。
「ペプ牛」にはグロビンペプチドと呼ばれる成分を加えた。グロビンペプチドは食べた脂肪の吸収を抑制し、食後の中性脂肪の上昇を約60％抑える機能があることが報告されている。
「ＧＡＢＡ牛」には血圧低下効果の実証を得ているギャバを加えた。ギャバは野菜や果物に多く含まれるアミノ酸の一種で、人間の体内では神経伝達物質として重要な働きを担う。今回は従来の冷凍牛丼の具と比べて塩分を25％カットした。
吉野家は外食事業者として初めて機能性表示食品「サラ牛」を昨年発売した。食後の血糖値の上昇を緩やかにする働きがあるサラシアを配合した。通販と店舗で販売したところ好評だったという。血糖値や中性脂肪、血圧を気にする人は多く、生活習慣病の予防を目的に需要を取り込むねらいがある。担当者は「この他にも届出中の機能性表示食品がある。牛丼は体に良くないというイメージを払しょくしたい」と語っている。
発芽もやしは売上げ２倍に
サラダコスモの野菜商品
(株)サラダコスモ（岐阜県中津川市、中田智洋社長）は「大豆イソフラボン子大豆もやし」を出品した。
「大豆イソフラボン子大豆もやし」は2015年に届出が受理された生鮮食品初の機能性表示食品で、表示内容は「大豆イソフラボンは骨の成分を維持する働きで骨の健康に役立つ」となっている。発芽野菜のため食物繊維やＧＡＢＡなども通常のもやしの数倍含む。担当者によれば「機能性表示食品としてＰＲしたことで販売量は２倍に増えた」という。
機能性表示食品は事業者が食品の安全性や機能性に関する資料を消費者庁に届け出れば表示することができるため、国の審査が必要なトクホに比べて販売しやすい。
一方で生鮮品での制度活用は、�ゝ’柔�成分の含有量のコントロールが加工食品と比べて困難、�⊇于戮�ら販売に至るまでに箱詰め、小分け、パック詰めなどのプロセスがあり、容器包装の形態が変わるため表示管理が複雑などの理由で難しいとされる。実際、届出件数は16件にとどまる。
そんな中でカゴメは生鮮品トマト「ＧＡＢＡ Ｓｅｌｅｃｔ（ギャバセレクト）」を５月に届け出た。トマトでは初となる。血圧を下げる機能を含んだトマトとして売り出す。販売開始日は10月１日を予定している。
マルハニチロは水産生鮮品で第１号となる養殖ブランド「よかとと薩摩カンパチどん」が今年１月にすでに受理されている。今後商品化を予定している。