「記憶力」に効果的な香りを新たに開発

 ファンケルは認知症予防が期待できる記憶力に効果的な2種類の香りを開発した。
 香りの成分の「テルピネオール」、「カンファー」、「1,8シネオール」をそれぞれ異なる比率で調合し、記憶力に効果的な香りを2種類開発した。それぞれを「香り541」と「香り622」と名付け、効果を検証した。
 「テルピネオール」と「カンファー」は、同社が会話や読み書き、計算など人の日常生活を支える重要な能力である「作動記憶」に関わる脳機能の働きをサポートすることを確認した香り。「1,8シネオール」は、記憶力全般を高める効果が期待される香り。

 効果の検証は、28〜44歳の健康な男女18人を対象に実施した。試験は、「テルピネオール」、「香り541」、「香り622」をそれぞれ吸入しながらパソコン作業を行い、その間の脳の活動を「光トポグラフィ装置」で作動記憶に関わる脳領域について測定した。
 その結果、「香り541」を吸入したケースでは作動記憶の中で「情報を覚える」ことに関連する脳領域に血流が増加し、「香り622」の吸入では、「最新情報に置き換える」ことに関連する脳領域に血流が増加した。
 以上の結果から、「香り541」は「情報を覚える」という機能、「香り622」は「最新情報に置き換える」という機能を高める可能性がある。これら機能は作動記憶において主要な2つの機能であることから、「香り541」と「香り622」は作動記憶そのものの機能を高めるとみられる。
 「情報を覚える」、「最新情報に置き換える」といった作動記憶は、日常的な社会活動ぼ重要な機能なので、この成果はこれらの機能が低下して引き起こされる認知症の予防にも役立つとみられる。
 今後はこのような香りが持つ機能性を、化粧品や健康食品などの製品開発に応用できないか検討する。