カナダ産の冷凍ブルーベリー、日本へ過去最多の出荷量
「マジック:ザ・ギャザリング」とコラボも

  レイ・ビリン社長

 カナダ西海岸のブリティッシュコロンビア州で大規模ブルーベリー農場を運営し、冷凍ブルーベリーの日本への輸出量ではシェアトップのシルバーバレーファーム(レイ・ビリン社長)は、今期の新作冷凍ブルーベリーをまもなく日本に向けて出荷する。今期の対日出荷量は過去最多の約1800tを見込む。

 ビリン社長は21日に開いたオンライン会見で「出荷量はここ数年増加傾向にあり、今期は前年に比べて23%増加した。日本市場をさらに活性化するためにプロモーションを強化し、健康情報や新しいレシピ、そして食卓に感動を与えていきたい」と語った。

 ビリン社長によれば今年のブルーベリーは例年より小さいが、糖度はおおむね平均値だという。今年は春が涼しく雨が多かった影響で夏の収穫時期が遅れた。収穫量も予想に反して少なかったようだが、ビリン社長は「日本向けの出荷量は十分確保している」と胸を張った。

抗酸化機能を持つアントシアニンが豊富

 ブルーベリーは免疫力の向上が期待されるポリフェノールやビタミンEのほか、腸内環境を改善する食物繊維を含む。特にポリフェノールの一種、「アントシアニン」を多く含むことで知られる。アントシアニンは近年注目を集める「ファイトケミカル(植物性の有用成分)」の一つとされ、抗酸化や抗ガン、抗炎症などの機能を持つと言われている。

ブルーベリーの収穫の様子。シルバーバレーファームは契約農家を合わせるとカナダ最大規模
の1133haの農地を持ち、生鮮ブルーベリーの生産量は約1361t、冷凍ブルーベリーは約63
50tに上る(2021年実績)

 シルバーバレーファームはこうしたブルーベリーの栄養価や健康効果を日本国内で発信し、需要を高める「ブルーベリー市場活性化プラン」を2019年から実施している。管理栄養士・フードコーディネーターの清水加奈子氏が考案した、冷凍ブルーベリーを使った簡単レシピを公式サイト「Blueberry Life Lab(ブルーベリーライフラボ)」で紹介している。今年はブルーベリーの魅力を伝える紙芝居とeスポーツ選手監修の「ブレインフードレシピ」のコンテンツを追加した。

 さらに新たな試みとして、全世界で4000万人が熱狂する世界初のトレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」とコラボレートしたレシピを公開する。

バンクバーの人気シェフがレシピ考案

 バンクバーの人気シェフ、ライアン・ゴーチェ氏がブルーベリーの栄養価を最大限活用し、カードゲームで疲れた目や脳をリフレッシュする「ブレインフード」として考案した。 オンライン会見では作り方を披露した。

 マジックのカード「パイ包み」に着想を得たという「ブルーベリーパイ」はフィリングにブルーベリーを使い、エスプレットペッパー(仏産とうがらし)で甘さを引き立てるのがポイント。ハロウィンのパーティ料理にも合う。

 マジックを象徴する「プレインズウォーカー・シンボル」をあしらったプレートに合わせて作った「ブルスケッタ」は、フォカッチャの上にローストブルーベリーやスモークチキンなどのトッピングを組み合わせた。チーズやトマトとの相性も良く「ゲームの合間の最適な軽食」(ゴーチェ氏)として紹介していく。

「プレインズウォーカー・シンボル」をあしらったプレートを手にレシピを説明するシェフの
ライアン・ゴーチェ氏