フードロス削減を推進
原料専門のマッチングサービスを展開
ICS-net（長野市、小池祥悟代表）が運営する「シェアシマ」は、食品原料を探している食品メーカーの開発・購買担当者と食品原料を販売したい原料メーカーをつなぐマッチングサービス。オフラインでの営業・取引きが当たり前だった原料調達を革新するサービスとして注目を集めており、一昨年10月の本格稼働以降、順調に会員数、アクセス数を伸ばし続けている。４月末時点の会員数は約1000。月間ページビューは約8000。出品アイテム数は約250に至った。
今年度はリニューアルを契機として会員数2000、1000アイテムの掲載をめざす。このほど、１企業につき２品までの原料出品を無料とする新サービスを開始した。メーカー参入のハードルを下げたことでサービス利用のさらなる活性化が期待される。
匿名で投稿できる「ひとことオーダー」も好評。「乾燥ワカメ10�塢�要な方いませんか」、「国産の冷凍アサリボイルを探している。使用量は月間400�圈廚覆匹離螢�エストから始まる商談も増えているという。急なキャンセルなどで行き場をなくした原材料がフードロスとならないようにするために発案された注目の機能だ。
水産関連では海藻乾物や冷凍むきえび、シジミの水煮、うなぎエキスなどが出品されており、買い手には調味料を含む、大手食品会社や製菓会社、弁当ベンダーらが登録している。出品は冷凍や粉末化など一次加工以上の商品が対象。生鮮には対応していない。
食品メーカーと原料メーカーをつなぐ「シェアシマ」の概要
大幅なリニューアルを７月に
同社はシェアシマの大幅リニューアルを７月に予定している。主なリニューアル内容は▽電子カタログ作成機能の追加▽各原料メーカー専用ページの設置▽情報発信コーナーの設置――。原料メーカーの労力負担を軽減し、フードロス削減を図る。
電子カタログはシェアシマに登録した出品情報を元にＰＤＦ形式で簡易作成される。オンライン商談はもちろん、対面で提示する紙資料としても活用が可能。情報量や文章量に応じた柔軟なレイアウト変更にも対応しており“取引先に提出して恥ずかしくないレベル”の自社カタログが負担なく、迅速に用意できる。当然、情報の修正、更新にも対応する。
メーカー専用ページはシェアシマ内に設置され、自社サイトを持たないメーカーでも原料を効率良くＰＲできる。商品情報のほか、企業情報も掲載できる。
新たに追加する情報発信コーナーは既存の「シェアシマレポート」を強化したもの。これまではフードビジネス全体を網羅した情報を運営側主体で発信していたが、今後は新製品や分析・検査機器、製造機械、関連サービスなどを含め、食品業界に向けた最新情報を掲載。同サービスの目的に沿った「情報のハブ」となるコンテンツへ昇華させる。
３つのサービスは月額１万円からの有料会員（原料メーカー）に対し提供する予定。買い手側へのプッシュ通知機能なども検討中。