【年頭所感】
次世代に繋がる新しい包装の実現を
日本包装技術協会 浅野茂太郎会長

       浅野会長

 少子高齢化の進展、健康志向の増大、循環型社会の構築に向けてのライフスタイルの変化など、生活を取巻く環境の大きな変化に伴い、包装もまた近未来を見据えて、一層の高度化、多様化、グローバル化などに適切に対応していくことが求められている。
 世界的なトレンドとして、品質、衛生、安全、環境が重要なキーワードとなっており、包装分野でも品質保証、食品安全、労働安全衛生、環境に対する各々のマネジメントシステムが浸透し、高度化が期待されている。
 フードロスの削減、高齢化への対応、地球環境保全といった社会的な課題に対して、包装は賞味期限の延長、環境に配慮した素材の使用、利便性の向上など、各々の課題解決に向けた機能の向上がより一層求められている。
 また、あらゆるものをインターネットでつなぐIoTやロボット、人工頭脳等の技術を駆使した生産性の抜本的な改善への取り組みも包装産業にとっては次世代に繋がる新たな挑戦になっている。
 当協会は昨年の秋に東京国際包装展(東京パック2016)を開催した。50年目という大きな節目での開催となり、4日間の開催に内外からの延べ18万人を超える来場者があった。この展示会を通して、次世代に繋がる新しい包装を実現していくことは、世界中の包装関係者の共通の課題であることがあらためて認識され、これからの包装を考える上での大きな指針となったことと確信している。
 今年も引き続き、社会や生活のニーズに応えるより高度で進化した包装の実現への取り組みを通して、公益事業の推進と強化に叡智と努力を傾注し、豊かな社会の構築と活力ある包装産業の実現をめざし進んでいきたい。