「AI(愛)プリン」のコンセプト動画より
カゴメとNECは子どもの野菜嫌い克服をめざして、AIを使った「AI(愛)プリン」を共同で開発する。子どもが苦手な野菜と相性の良い食材をAIが探し、それに基づいてプリンのレシピを開発する。プリンは実際に商品化して、今年夏に売り出す。
AIの学習データはNECが収集した50万種類以上の料理レシピを使用する。子どもが苦手な野菜は、カゴメが全国の3〜12歳の子どもを持つ女性4000名以上を対象に実施した「子どもの野菜の好き嫌いに関する調査」結果を参考に21種類を選定する。
子どもが苦手な21種類の野菜と相性が良い食材の候補は、大量の料理レシピを学習したAIが導き出す。人間には想像がつかない、意外な組み合わせを探し出すが、最大の特長はAIがその根拠をきちんと示せること。これはNECが開発した「リンクス予測AI」という先端技術。ものごとの関係性を分析し、隠れたつながりを推測する。
今回の食材探しでは、たとえば「ピーマン」と相性の良い食材としてAIは「ライム」をすすめる。その根拠はピーマンと「野菜だし」は様々な料理で組み合わされ、野菜だしとライムは「タイカレー」で共に利用されている(図表参照)。このような関係性をもとにAIが「ピーマン」と「ライム」は相性が良いと判断する。
ほかにも「ねぎ」と相性の良い食材として「ミント」をすすめたり、「かぶ」の相手として「ヨーグルト」を選んだりしている。
食材の組み合わせとして今回は100通りを用意する。サイト上で一般投票を行い、6件を採用する。レシピ開発は岐阜市の洋菓子店「プルシック」の所浩史オーナーシェフが担当する。開発したプリンは「プルシック」の店舗のほか、オンラインストアで今年夏に販売する。
ピーマンの相手にAIが導き出したのは「ライム」、根拠を示している