ジョンビーン社セミナー、歩留まり高い機器の販売増える
ジョンビーン・テクノロジーが10日開催したセミナーで、米国JBTフードテックインクのピーター・リリグレン海外担当部長は同社の機器の特徴と欧米での販売動向を紹介した。世界的な原料高で歩留のよいタイプのフリーザーが主流になっているなど、次のように報告した。
熱媒を使った間接加熱が主流に＜リリグレン海外担当部長＞
JSOオーブンは直線型のインピンジメントオーブン。３つのタイプがある。
ガス燃焼による熱を直接食品にあてるダイレクトタイプは20年前から市場で使われており、最も多く使われている。
２つ目はガス加熱の間接タイプ。
３つ目は熱媒（オイルなど）を使った間接加熱のサーマルフルイドタイプ。近年はこのタイプが主流になっており、現状では出荷の八割がこれ。
サーマルフルイドタイプの欠点は熱源がオーブン本体とは別に必要でイニシャルコストが高いこと。最高温度も２５０℃と低い。
ガスは２８０℃まで上がるが、ガスの直接加熱は空気が大量に必要になる。直接加熱はどうしてもオープンフレームなので蒸気をオーブン内に閉じ込めることがしにくく、蒸気量に限界がある。一般にピンクチキンと呼ぶ、熱は中まで通っているのに肉に赤みが出る傾向があるのも欠点だ。赤みがかったチキンは好まれない。ただし、この現象はビーフハンバーグではプラス面になる。
一方、間接加熱はオーブン内を高い湿度にできるため味が低下せずに焼ける。焼き色もいい。なにより歩留まりが良く、チキンの場合は１.２５％の歩留まり向上が見込める。わずかなようだが、大量生産する場合はこれで投資が回収できる。ランニングコストもガスダイレクト方式より安い。最高湿度はガスダイレクトが50％、ガス間接が70％、熱媒間接が85％程度と考えていい。
両面からテフロンの板で挟んで焼く連続オーブンもある。この「プログリル・コンタクトクッカー」は表面だけを素早く焼くことができるので、その後にスチームオーブンで加熱することにより、歩留まりよく焼くケースに使われている。ハンバーガー、チキンブレスト、ファヒタミート、ダイスミートなどに最適だが、ミートボールのような形には不向きなのが難点。
スパイラルとインピンジメントを結合した最新オーブン
スパイラルオーブンもある。フリゴスカンディア社のスパイラルシステムの冷却機の代わりに熱源を組み込んだもの。この方式は昔からあるが、一度に大量に焼けるが、スピードが遅いために用途が広がらなかった。
これを改善し、昨年発売したばかりの新型機がSTAINジャイロコンパクト�競�ーブン。
庫内の湿度を高め、インピンジメントで焼成する直線のセクションを結合して処理能力を40％高めている。庫内の風の向きも上下両方向から吹き付けることができるようにして、４〜５分間隔で風の向きを変えることで両面を焼くことができる。
フレーク状の衣をつけるブレッダー
ブレッダーマシンとしてはSTAINファイブスターホームスタイルブレッダーを提案する。
今までのドラム式ブレッダーマシンではできなかったフレーク状の衣をつけることができる。デリケートな運転ができて衣が粉々にならない。例えばケンタッキーフライドチキンなどは当社のマシンを必要とする。日本独特の衣である生パン粉にも対応できる。
構造は５つの星型の回転羽が縦に交互に並んでいる。食品は上から落ちながらパン粉などの衣をつけていく。オニオンリングのように形が崩れやすい食品にも適している。
ジャイロコンパクト�競�ーブン