野口正見の「5S活動による食品工場改善」 −20−
5S活動進捗の現況

 先月C社を訪問して現状を聞き取りしてきた。現場には入れなかったが、事務棟は整然と清潔に維持され、新設後9年の経過を感じさせない新品同様の状態だった。食堂に設置した貴重品ロッカーは要員増のため増設され、生産量が伸長していることを窺わせた。
 パトロールによるチェックシートの評価点は全社平均で90点に達したそうである。パン粉付けラインは90点そこそこ、他の現場は80点前後、間接部門が牽引して上記の点数になっているそうである。
 中でもパン粉付けラインは顧客のバイヤーが工場見学すると、工場の衛生管理や品質管理レベルを最高級と評価していただき、商談も高率でまとまっている、という。
 標語の応募率は90%前後。あと一割の壁がなかなか超えられないとのこと。社長も、「なかなか定着したとは言い切れない」との受け止め方であった。
 経営的には、知る立場ではないが、無借金経営を維持しているとのこと。健全な経営状態と判断される。
 誰でも実行できる5Sを確実に実施することにより、絶えず問題意識(品質管理、安全対策、無駄の排除)を持ち、自ら気付き、自ら行動し、問題解決を図り、継続して発展し続ける企業体質を構築していく。法規・ルールを守り、報・連・相により風通しの良い明るい企業風土を作り上げる。この企業風土により製品の安全・安心が担保され、ムダが排除された食品工場になる。草取り・掃除から始めた5S活動の目指すところがもうすぐだ。