設備投資を景気動向と別の観点から計画、実行する
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福岡運輸（福岡県）は拠点新設を来期計画している。今期は既存施設のリニューアルを手掛けている。富永泰輔専務は「設備投資を景気動向と別の観点から計画し、物流サービス向上のために実行していく」との方針を示す。業績なども含め、話を聞いた。
富永専務
――拠点新設の計画は。
富永 計画が２つあります。ひとつは福岡支店の敷地内にある第３冷蔵倉庫の建て替え計画で、来年または再来年に実行する予定です。現在の第３冷蔵倉庫は低床平屋のチルド庫ですが、これを複層階、高床の冷凍・冷蔵倉庫にしたい。２つ目の計画は関係先と調整を進めており、まだ明らかにできません。
――大阪支店の改修工事の進捗は。
富永 ９月に終えました。施設の防熱効果や荷捌きの効率などを高めました。例えば、ドックシェルターをオーバースライドするシャッター式から観音開きタイプに換えて、荷捌き場の品温管理を強化しました。
――なぜ観音開きタイプに。
富永 トラックの荷台をぴたりと接車でき、冷却効率が上がるためです。さらに、メンテナンスも従来のシャッター式より容易で、施設維持経費が長期的にみて下がります。船橋営業所（千葉県）もドックシェルターの全てを観音開きタイプに交換しています。
――今３月期上期の業績は。
富永 減収増益となりました。荷動きの落ち込みで減収を余儀なくされました。一方、利益面では燃料費の対前年比下落がありました。配車効率は向上したのですが、これは当社社員の頑張りが寄与したといえます。
――下期の見通しは。
富永 厳しいとみています。軽油価格の上昇傾向があり、加えて、不景気感がまだ続いています。ですが、前期から引続き今期も施設リニューアルに投資を行なっています。
――今年から社員教育の充実も図っているとか。
富永 従来の教育対象は幹部クラスか新人に限られていましたが、中堅クラス、若手クラス（30歳前後）にも対象を広げました。若手クラスには、リーダーシップを育む教育などをカリキュラムに組んでいます。人材こそ差別化につながると考えているからです。
――将来を見通した取り組みか。
富永 ５〜10年後を見据えた時、教育が肝心となると考え、研修の場を作りました。また、それに先駆け、協力会社の配車係などの顧客対応レベルアップを図る研修の場を設けています。
（とみなが・たいすけ）学卒後、1988年入社。2002年取締役、06年10月から業務本部長に就く。07年常務、今年４月から現職。1974年福岡市生まれ。東京大学経済学部卒。