千葉畜産工業(千葉県船橋市、斎藤道久社長)はニチレイグループの中で先陣を切って、環境マネジメントISO14001を取得した。その後、品質マネジメントISO9001を取得し、従業員の品質管理、環境対応への意識向上を大きく前進させ、グループを先導している。
その意識は主力の生メンチカツの製造過程に顕著に見られる。梱包に使う段ボールは業者から毎日直送されるもので、翌日まで余らせず使い切ることで清潔な包装に注力する。貯蔵室に物品を置く場合は部屋の壁につけずに保管する。壁から伝わる埃などを付かないようにするためで、衛生管理を徹底、視覚的にも見通しがよく、作業の効率を向上させている。
主力のメンチカツのライン
清潔さを保つ取り組みはラインにも表れている。特に印象に残るのは床の状態。乾いていて、細かなミンチや玉ねぎなどの破片は散乱していない。以前は材料の破片が多少落ちていたり、床が濡れている状態が続いていたという。スタッフもその状態に特に気を配ることがなかったが、数年前に意識改革。時間をかけ、作業場のクリーン化に努め、2年前に現在の床の状態を完成させた。今ではスタッフは短靴で作業にあたり、清潔感あふれる工場をアピール。「きれいな床では長靴でなくても大丈夫」と、工場側は自信を見せている。
清潔さを保っている床 短靴で製造にあたる
千葉畜産工業は、日本有数の畜産県だった千葉県がいち早く県内養豚農家の育成に乗り出すとともに、計画的な共同出荷による安定した供給体制を確立して生産者・消費者双方の利益に寄与するため、県内農業団体と共同で資本金4000万円の県策会社として、1957年千葉市花見川区幕張町に設立した。
68年に経営をニチレイに委譲し、と畜場、冷凍食品工場、冷蔵庫など数次にわたる設備の増強と販売網を拡充しつつ営業基礎の確立を図った。2000年にニチレイグループ生産体制再構築計画に基づき、生産に特化することを決めた。02年に幕張工場を閉鎖し船橋市日の出に新工場を移設、現在に至る。