仙台市内に拠点を置いている食品メーカーの販売出先機関は、地震と津波発生以降、実質的な業務再開日となった14日(月)以降も動きがとれず、事務所内で情報収集などを行なっているようだ。また停電が続いているため、冷凍倉庫では出荷の情報処理ができず、仙台、塩釜、気仙沼など宮城県内の冷食物流は依然業務停止状態が続いている模様。
地震発生後、同市を含む宮城県内全域で固定電話、携帯電話はほぼ完全に不通となり、東京本社はもちろん、取引先、得意先との連絡も途絶えていた。しかし、14日から徐々に仙台市内でも通話可能地域が増えつつあり、相互の情況説明、報告と今後の対応策の協議などに追われている。
電話と並ぶ営業マンのもう1つの必需品である営業車は、仙台市内の立体駐車場に保管していることが多く、電気が復旧するまでは駐車場から車を出庫できない。また、同県内全域で自動車燃料の給油量を厳しく制限しており、休業するスタンドも少なくないため「得意先に行きたくても行けない」状態という。
冷凍倉庫でも困難は見られる。仙台港周辺にある冷凍倉庫の多くは地震と津波の影響が大きく、壊滅的打撃を受けたところもある。
その上、冷凍食品の販売を再開するため倉庫の入出庫作業をしたくとも、停電の間はコンピュータが動かず、特に立体自動倉庫の場合は製品1品でも出荷できない。同市内に拠点を置く倉庫担当者からは、通電再開を待って出荷業務を始める、と連絡があった模様。
現地で冷凍食品の営業に携わるメーカー社員は「一刻でも早く電気、ガソリン、電話等の社会インフラ復旧を望む」と15日語っている。